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内容説明
なぜ? それが、ライブドアへの強制捜査の報にふれた私の感想だった。こうした行為を、「偽計取引」や「風説の流布」と解釈することには違和感があったし、これくらいのことであんなに大々的な強制捜査などやるのだろうか、と思われた。この先、さまざまな闇が明るみに出るに違いない。私も逮捕されるかもしれない。
目次
第1章 強制捜査(東京地検特捜部 弁護士の見解 ほか)
第2章 監査人から見たライブドア(署名拒否 「皆さん、騙されていたんですよ」 ほか)
第3章 粉飾の構図(錬金術を生むファンドの連鎖 ファンドをコントロールしているのは誰か ほか)
第4章 孤軍奮闘(監査軽視の負の遺産 火中の栗 ほか)
第5章 監査人の苦悩(監査人の意志 会計士に求められる“自律” ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
38
当事者ならではの迫力を感じる。はじめは責任逃れ臭も感じたが、ライブドア側との細かな攻防や、著者の会計についての持論を読むうち、正しい会計を目指したのだということが伝わってきた。2019/04/16
シュラフ
24
国策捜査の被害者なのか、犯罪人なのか。最近マスコミに露出が多くなってきたホリエモンのことが気になってしまい。すでに忘れてしまったライブドア事件のことを読んでいる。この本は監査法人から見たライブドア事件の内幕である。要は 投資事業組合を通じた企業買収と株式分割を組み合わせた風説の流布による株価つり上げという證券取引法違反である。本業のプラットフォーム事業がうまくゆかず、実態としては金融事業中心の会社だったとのこと。当時ホリエモンと言えば時代の革新者のように言われたのだが、きわめて悪質だと言わざるをえない。2015/04/11
nekozuki
14
すでに10年前のライブドア事件。当時結局何が問題だったのかわからなかったけれど、本書でスキーム解説を読んでやっと理解した。堀江さんは好きだが、この行為について認識があったのならば逮捕は致し方ないだろうなぁ。複数ファンドを挟んで自社株売却益を還流させるのは、言われれば理解できるが思いつかない。CFOという役職の責任の重さがわかる。2015/02/14
くとほん
10
副題の「なぜ止められなかったのか」に対する答えはシンプルで、筆者が監査人として本格的にライブドアの監査に携わった時点では出遅れだったからだ。当時世間を賑わした事件であるから、難解なスキーマを使っていたのかと期待して読んだが、正直期待外れである。単純に、筆者以前の監査担当者がライブドアを甘やかしていたから、時価総額を上げることを目的にグレーゾーンに突っ込んでいったというだけである。本書から得られるものは、専門的な知識ではなく筆者の高い職業倫理感である。2019/11/09
もりやまたけよし
10
ライブドアの裏側を監査を通してみることができる、きわめて興味深い内容だ。あまりにもリアルすぎて、少し引いてしまった。やはり錬金術というのは空想であり、ホリエモンの戦術を垣間見ることができる。いまのその戦術で、世の中を操作しているのだから、彼は優れた魔術師のようだ。2016/07/27