内容説明
死者のすべてが結晶となった『本』が眠る、バントーラ図書館迷宮書庫。その一角に、かつてはハミュッツ=メセタと並び、エリートとして将来を嘱望(しょくぼう)されていた蟻(あり)使いの武装司書・モッカニアが住み着いていた。ある日、モッカニアは迷宮書庫を占拠し、武装司書に反旗を翻(ひるがえ)す。その裏には、神溺(しんでき)教団の手先と謎に満ちた一人の女性がいるらしく…。『本』をめぐる、美しくも儚(はかな)いファンタジー。スーパーダッシュ新人賞大賞シリーズ、渾身の第3弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
32
戦う司書の3冊目は司書モッカニアの裏切りの話。物語を通して明かされていくモッカニアの抱えた思いと迎えた結末は苦いものがありました。最後の消滅とかは本当にツラかった。誰にも分からなかった彼の思いを理解できたのは敵であるウィケンニ―だけだったのが、これまた何とも言えない思いにさせますね。この作品は登場人物の心理描写も丁寧なので憎い筈の敵にも魅力があるから困る。これだけキャラが立ってるのに1巻限りの人物が多いのが残念ですね。何にせよハミュッツの本質も明らかになったので次巻も期待。2015/04/03
こめっこ
14
図書館迷宮の中の戦いが面白かった。図書館が迷宮という設定もいいですね。モッカニアの話をもっと読みたかった。2014/08/25
チェシャ猫
14
今回の謎は 最強のひきこもりがなぜ敵に回ったということでした。わかるかーーいってな理由でした。けど ひきこもりの最後はカッコ良かったし、油人間がこの騒動を起こした理由もなんとなくカッコ良かった。ハミュッツ・メセタの本質が出てきた巻でもありました。 この本は前の巻で出てきた登場人物を上手く使うよね。2014/04/16
ぺぱごじら
12
魔法権利を駆使して、最強の名を欲しいままにする武装司書。その中でも最強の二人が図書館地下迷宮で激突する第三巻。教団による徹底して人の心につけこみ、惑わせる外道極まりないやり方におぞましさを覚えつつ、その策に翻弄されながらなお生き方を貫こうとする司書、下劣な策と知りながら教団に殉じる『擬人』それぞれの生きざまが哀しい。あらゆる事を想定し、策が始まった瞬間に全てを見抜き、諦めるものを決める『死にたがり代行』は、いつ安らぎを得られるのだろう。2015-2062015/12/20
47
7
優しすぎる、純粋すぎる男の悲しい決意。切ない。2012/10/16
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