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内容説明
「私は考える、ゆえに私はある」―近代精神の確立を宣言し、現代の知の枠組みとなる哲学の根本原理と方法を構築した近代哲学の父デカルト。コギトの確立に体系の集約点をみるドイツ観念論の桎梏を解き放ち、デカルトの真実の姿を見いだそうとする本格的な入門書である。デカルトの思想を現代的視座からも読みなおす意欲作!
目次
序―デカルトの人間像
第1章 デカルトの生涯―思索と遍歴
第2章 デカルトの認識論と形而上学
第3章 デカルトの自然学と宇宙論
第4章 デカルトの人間論と道徳論
終わりに―デカルト哲学と現代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
34
物理学(ニュートン)、数学(解析幾何学)、宇宙論(アインシュタイン)の基礎を築いたデカルト。人間の意識(理性)の自立を説き(観念論)、物質を客体として切り離しそこに物理法則が働くという哲学により科学技術の基礎を築いたが、自ら宇宙論に至る迄の学問体系を構築した。その全貌が要領よく紹介されている。今でこそ誤りが見受けられるが、慣性法則/宇宙生成/機械論的生理学までを一人で構想し実験し証明した力技には呆れるばかりだ。全てを総合した知の巨人だったからこそ、近代科学の土台となる哲学を産むことができたのだろう。良書。2014/10/13
ころこ
15
2章が哲学の議論、3章が理系の議論、4章が文系の議論と、デカルトの仕事の広大なフィールドを整理して解説しています。また、哲学の議論を「省察」、理系の議論を「哲学原理」、文系の議論を「情念論」という様に、各分野を代表して著作を充てており、見通しの良い構成になっています。この様に理解すると、「方法序説」だけ読んでいるのでは足りないということが分かります。紛れもなく近代哲学の起源だから読むことに吝かではありませんが、本書を読んでさらに印象を強くしたのは、デカルトの議論は退屈だということです。2017/12/24
yakisoba
5
「入門」と書かれているので読みやすい本かと思ったが、後半パートは加速度的に難解な専門用語が大量に使われていて殆ど理解できなかった。デカルトの文章は比較的読みやすいタイプのものであるらしいが、一番最初に手を付けた哲学の入門書で一瞬、気持ちが折れかけた。あとがきでも著者本人が「入門書としては難解な部分もあった」と反省の言葉を述べている。そもそも新書一冊でデカルトの業績全てをまとめるのには無理があったのかもしれない。2011/12/23
すったもんだ
3
ぜんぜんわからねえ…。笑えてくるくらい長ったらしい意味の汲み取れない文章が続く。途中からそれが快感になってくるような感覚もなくもなく。心身二元論目的。無限である精神と有限である肉体は世界を別個としており、別個に存在するのならば何故我々の肉体に精神は働き掛けられるのだろうかと当時の哲学者のみならず王女にまでツッコまれている。デカルト自身はしかし時に心身同一論をも用い、時間的に重なっていなければ矛盾はしないとも説く。反応と意思を別けて考える。経験を積み重ねることにより知性でもって肉体を制する。2025/01/15
かみうち
3
心身合一の次元を認め、精神・物体と並んだ3つ目の記述分野(探究分野)が成立するというのは興味い(物体の探究は精神による探究であって、心象などの感覚に基づくものではない!)。しかし、心身合一で認められる人間の自由(自由原因・直接的因果性)が機械論的な自然学と整合するのか、疑問に思ってしまう。少なくとも、デカルトは松果腺に関する説明で、自然学的な説明を試みてしまっているように、私には思われた。2021/03/06
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