内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
太陽から二億三千万キロ離れた夏星。そこではP.U.Sという先天的病気の因子が住民を蝕み、人々は新世界への渡航を夢見ていた。斡旋住宅で兄シュイと二人きりで暮らすイオ。彼の元に残された謎の物質ゼルとは何か?二人を巻き込む壮大な闘いが今、始まる。超人気シリーズの第一巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
21
裏表紙の紹介文をちらと見る。…太陽は「ソル」でスペイン語、夏星は「シアシン」で中国語。振られているルビひとつ取っても、それが自由奔放に世界各国の音と色を拾い上げている世界観ににんまり。長野まゆみはこうでなくちゃ、と思う。同性間の性的描写も暈すことなく書かれているのに、生々しさや不快感は無く、何処か作り物めいて透き通った登場人物たちの果敢無さや残酷な美しさばかりが強く印象に残る。序章ということでさくさく行きたいのですが全巻揃ってないのが痛い。2013/11/24
冬見
20
久しぶりに。相変わらず何が何だか分からない。この不明瞭さが解消されることはないし混乱は深まる一方だが、それでいい。確かに、世界はそこにある。冷たく無機質なようでいて、境界を失うほど溶け合おうとする生々しさをはらむ。醜悪であるはずのそれらが、いっとう美しい。2016/12/19
橘
16
まだ物語の始まりなのでよくわからない世界ですが、この空気に揺蕩っていれば良いのかなと思いました。生々しい描写もありますが決して醜くなく、冷たく綺麗に感じます。続きも楽しみです。2015/05/04
まゆら
11
長野さんにしては珍しい長編、全五巻のSFファンタジー。中期によく出てくる此処ではない何処かへの脱出を目指すという世界観。この世界では、〈新世界〉への移住が一般的になった世界を舞台に、シュイとイオの兄弟と謎の少年ハルや病気で肥満体になったミーモに、医師のソレンセンなどの登場人物たちの関わりにより徐々にイオの置かれている状況が読めてきます。まだ序章なのでこれからどう展開するか楽しみ。2014/07/07
波璃子
9
まったくわからないワードを分からないまま、こういう意味かな、と想像しながら楽しんで読んだ。実体が不確かで何かはっきり分からないからこそ、世界が無限に広がってゆく。2018/07/20