内容説明
お金持ちのエヌ氏は、博士が最も優秀と自慢するロボットを買入れた。オールマイティのロボットだが、時々あばれたり逃げたりする。ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は博士に文句を言ったが……。ショート・ショートでは第一級の作者が綴る、大人と子供のための童話。表題作他35編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
362
星新一さんの子供から大人まで心行くまで楽しめる36編も入った傑作ショートショート集です。この本は完全に小中学校ぐらいの昔に読んだ作品ですが記憶が甦ってスッキリと気持ちよく読んで楽しめましたよ。最初の『新発明のマクラ』は英語を覚えられる枕を発明したが実際に効果があるのは寝ている間だけというオチで、こういう風に画期的発明の筈が期待外れでガッカリする話、宇宙人が地球に来るけど平和に帰って行く話、悪魔が出現するが結果的に実害はない話、といった物凄く幸せではないけど深刻な不幸でもないほどほどの幸福感を味わえますよ。2020/01/03
hiro
163
新潮文庫の100冊 2015の『ボッコちゃん』に続いて、カドフェス2015 発見!角川文庫の、この『きまぐれロボット』を読んだ。ロボットや薬などの新しい発明品や、宇宙人や動物などを題材のショートショート36編。似た題材のショートショートのため、途中までは似たような展開のものもあるが、もちろんまったく違ったオチが待ってる。これが楽しい。特に「おみあげ」のような人類の愚かさ描いた毒のある作品が好きだ。読書嫌いの息子にショートショートだと読めるだろうと思って買った本だが、何年かぶりの再読だったが楽しく読めた。2015/07/18
しゅわ
161
【図書館】谷川さんの解説によると、新聞連載を経て、子どものための本としてまとめられたことがある短編集とのこと。研究室にやってきた来訪者に博士が新発明のロボットや薬の説明を始める…というワクワクするような星さんショートショート定番の始まりが多く収められた一冊です。同じような設定から始まって、これだけバリエーションがあるのがスゴ過ぎ!博士や発明家が変な物を発明したり、宇宙人が来たり、ロボットが暴れたり…ユーモアたっぷりで大人も子供も楽しめる珠玉の36編です。2014/11/29
おかむー
135
初版が1972年なのでかれこれ40年以上前の作品、本にまとまる前の初出では45年ぐらいになるのかな?それでも“古さ”がどこにもない稀有な作風は星新一ならではですね。『よくできました』。ショートショートという形態だからこそ、いい意味で余計な描写を削ぎ落としたために時代に影響されないシンプルかつ普遍的な物語がとても心地よい。登場人物はどの物語もどこか飄々としてちょっぴり皮肉が効いた結末が安定なのだけれど、そのなかでも少女の描いた空想の絵とロボットモグラの物語「花とひみつ」がほのかに暖かくて印象的。2015/09/13
まちゃ
131
息子(中3)にと購入したのですが「あっさりしすぎている。」と不評でした。自分でも読んでみました。高校生ぐらいのときに星新一さんのシュートショートをよく読んだので懐かしかったです。発表から40年以上経つのに古臭さが感じられないことに驚きました。やっぱり星さんはすごい。2015/09/17