中公文庫<br> ロビンソンの家

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中公文庫
ロビンソンの家

  • 著者名:打海文三【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2011/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122045958

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内容説明

ぼくは彼女を順子さんと呼ぶ――母の失踪への情熱、性的な身体の記憶……。大藪春彦賞受賞作家がおくる、甘美でせつないミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

piro

32
17歳の夏、リョウは高校を休学して「Rの家」へ。誰もいないはずの家には伯父の雅彦と従姉妹の李花が居り、3人の奇妙な同居生活が始まります。雅彦や李花らを通じ、12年前リョウの母順子が失踪した経緯が徐々に明らかになっていく様が秀逸。どこまでが事実でどこまでが作り話なのか、謎を残したままで読者に委ねる書き方もミステリー度合いを高めます。そして少し歪んだ性の描写も程よい甘美さ。切なさと甘さ、苦さが織り交ぜられ、期待以上に楽しめた一冊でした。2020/05/06

90ac

11
「一九七二年のレニー・ラウ」の中の「ここから遠く離れて」で主人公吉田ヒロムが書いた小説に「裏切りの岬」という作品が出てくるがそれがこの「ロビンソンの家」ということらしい。読んだ本を引っ張り出して確認してみると確かに頷ける。初出時のタイトルは「ミセス・ロビンソンの家」となっている。リョウの母親:順子が映画「卒業」のミセス・ロビンソンの香りがする。しかしこの作品に出てくる女性はみな強い!母親:順子は弱いと思いきや最強だった。また男女の会話がキザだね。「レイニー・ラウ」もキザなセリフが多かったけど。2011/11/28

nao.

3
伊坂さんのエッセイで薦めていた本、数冊読んだが初めて当たりが出ました!登場人物の淡々と感情を抑えた台詞、あぁ伊坂さん影響受けてるなぁとニヤニヤ。激しいぶつかり合いはないのに、人と人との関わりや結びつきを強烈に表現していて素晴らしい。2014/09/08

東森久利斗

2
”世界は解読されている”、”人と人の関係で歪んでいない関係は一つもない”、仙人の如く達観した真理くさい似非悟り、何となく腑に落ちてしまう一言がオーラを放つ。世をやや左斜め上ぐらいから、着かず離れずの距離感から傍観している漂流者によるシニカルでブラックな洞察力。エロさ加減ゼロ、ミューズのように神々しい女性陣、女性賛歌に負けじと否定しバタバタもがくも、虚しく自沈するカワイイ男達、女と男の微妙なパワーバランス。棘が知らぬ間に深く刺さり抜けなくなっていく、心も身体も血を流し心地よく崩壊し続ける。愛と家族への幻想。2025/10/07

えすと

2
素晴らしかった。秀逸。打海文三はニヒリズムに逃げないのが、偉い。2012/10/17

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