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内容説明
戦後日本の出発期に首相・外相を務め,政治・外交の軌道を敷いた吉田茂.その講和・安保条約締結は,軽武装・経済第一主義の確立によって後の繁栄を招いたと評価されがちだが,果たしてそういえるか.著者は,彼の遺した書簡,公開された外交文書,関係者からの聞き取りを通して,天皇体制の徹底した擁護者という新しい吉田像を描き出す.
目次
目 次
第一章 人生草創――維新の激流に生る
第二章 帝国主義を抱いて――外交官の軌跡
第三章 体制の淵から――反軍部の旗幟
第四章 敗戦国の宰相――瓦礫の底から
第五章 歴史の岐に立つ――保守主義の貫徹
第六章 講和・安保両条約締結に向けて――外交文書は語る
第七章 権力の黄昏――政党政治からの逆襲
エピローグ――いまに生きる「吉田茂」
あとがき
参考文献・一次資料
参考文献(著者名五十音順)
一次資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
11
吉田茂といえば、戦前は軍部に抗して日米開戦を阻止せんと図り、開戦後は早期和平のために奔走し、戦後はアメリカによる再軍備要求を拒み続けたためか、右翼的イメージは希薄だ。しかし一方で、関東軍も鼻白む対中強硬策を唱えた帝国主義者であり、新憲法下でも大逆罪を存置せんとマッカーサーに訴えた尊皇家であり、占領期間内に共産党の非合法化を目論んだ反共主義者であり、そして安保改定時の騒擾に際しては、岸信介に自衛隊出動を迫った治安主義者であった。2021/01/23
モリータ
9
原著は読みやすくていい。次は中公新書の社会党史だな。2017/01/11
壱萬参仟縁
9
学校遍歴の項目(27頁~)。明治23年、耕余塾は「耕余義塾」と改称、慶應義塾にあやかったとのこと。実際耕余とは親密な慶應であった。続いて、「無責任時代が到来」の項目(153頁~)。「天皇がその意に反してみずからの戦争責任を形にしえなかったというその歴史的含蓄は重い」(153頁)と指摘されている。天皇は軍部に利用されたのだろう。吉田は、天皇退位・天皇謝罪を否定、という決断と行動に出た。一見不作為にみえながらも、実際には現状保持の革新的意思決定だと分析(154頁)。今の天皇のあり方へと問われる部分があるかも。2013/07/31
ジュンジュン
8
戦後を形作った吉田茂。その評価は戦後50年(あるいは冷戦が終わって)を経て、ほぼ固まったようだ。天皇制(明治維新の成果)の維持、反共への執念、占領下にあって示した矜持、政党政治を嫌う総裁、帝国主義者…これらが混然一体となって吉田茂を、戦後日本を、ひいては現代日本までも規定する。2020/07/15
Hachi_bee
6
大磯に縁を得たので、20年ほど前に読んだ本を再読。未登録であった。 吉田の思想がどの様に培われたのかについてはほとんど書かれていない。そういう観点では今ひとつ。次は「小説吉田学校」を読みたいが、書店でも新古書店でも出会えないでいる。図書館で借りるか。(廃棄されないうちに)2024/09/22
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