ニャンコ、戦争へ

著者名：菊地秀行【文】/平松尚樹【絵】

小学館（2015/06発売）

• ISBN：9784093797368

内容説明

人間たちが始めた戦争に、人間の代わりとしてネコの〈ニャンコ〉が兵士として戦場へ送り込まれたのは、〈僕〉が三歳のときだった。半年ほどして帰ってきた〈ニャンコ〉は右の眼がつぶれ、右の前足はプラスチックの義足になっていた。名誉の負傷だったので十日間の休暇を与えられた〈ニャンコ〉。そして、快復した〈ニャンコ〉は再び戦場へかり出される。その二年後に再び帰還した〈ニャンコ〉は、今度は左足も失っていた。〈僕〉は「もうこれで除隊だ。戦争に行かなくてもいいはずだ」と喜ぶが……。次に待っていたのは更なる残酷な運命だった。超伝奇小説の第１人者、菊地秀行が初めて挑む、大人向け絵本。

【ご注意】
※この作品はフルカラー版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく]

★小学校６年生ブックトーク　【テーマ　戦争と平和】　国語科単元で『川とノリオ』を学習するので、夏休み期間を使って関連の絵本・児童書などの紹介と貸し出し。

2019/06/17

[miroku]

菊地さんの童話とは！？　でも、初期には、このような作品もたくさん書いていたのだよね。これは、童話にしてはビターな作品。

2011/07/03

[烟々羅]

菊地秀行の童話。　なぜ絵本なのに児童書の棚に並んでないのかと、図書館でぱらぱらと。　ストレートに教訓臭くて、絵本としては好きになれない。

2012/12/12

[いくっち＠読書リハビリ中]

愛らしい絵と裏腹に人間を皮肉った一冊。どうしたらこういう発想が生まれるのか。戦争から逃げたい気持ちが愛してしかるべきペットに向くなんて。自分が逃げたいがために動物嫌いな人たちがペットショップに向かうという文面にくらりとよろめきました。ああ、なんてこと！図書館のYA棚にあります。中高生向け。でも明らかに大人に訴えている。

2010/02/06

[mametoume]

作家は戦後世代だが、ニャンコが人間の代わりに犠牲になる不条理を描いている。ちょっと辛いエンデシングにゃ。

2021/07/17