内容説明
「元気」とは単に人の活気ある姿、いきいきとした動作などをいうだけの言葉ではない。天地万物を生みだし、それを生かしているエネルギーの根元を「元気」という。人間の命を一滴の水にたとえた『大河の一滴』の著者が、古代中国の文献や最新科学の情報などをふまえて取りくんだ、新たなる生命論。「『死』を思えば元気になる」「すべての健康法は気やすめである」などの中身の濃い元気法や、人の命の流れつく先をイメージした「海」の物語は、生の根源に迫る大作となった。著者が長年大切にしてきたテーマを総括したトーク・エッセイ「暗愁のゆくえ」も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
5
元気とは単に病気でない状態をいうだけの言葉ではなく、天地万物を生み出し、それを生かしているエネルギーの根源を意味する。その中から体と心を与えられ、人間という形となって送り出されてきた。形の背後に命があり、形が消滅しても命は再び宇宙万物の根元の世界に戻る。つまり、元気は命の始原であり、私たちはその一部。元気であるためには、健康法は意味がなく、逆に死を意識すれば元気になる。暗いものは良くないことだとして遠ざける傾向にあるが、諦める、観念する、手放すという立場に徹し、心の中の暗愁と上手く付き合うことが大事だ。2013/07/31
mari
5
家にあったのを発見!誰が買ったのだろう。。。自然、じねん、の考えがなるほどと。宗教的であり哲学的であり真理なような気もする、自然の捉え方。2013/03/15
ことり
2
そこからこの世に生まれてそこに還る。身内が亡くなり、死を身近に感じる今だからこそ、ただ怖れ、怖がるだけでなく、死ぬことを捉えたい。五木さんは偉大な先人だと思う。2022/12/21
しそはは
2
健康法の類の話かと思ったら、そうではない。「すべての健康法はきやすめである」とバッサリ!与えられた天寿を活かし尽くすための心のもちようについて書かれた本。日本人が「暗愁」を失って人生の不条理に目を背けた結果、自殺大国になったのではないかという説、頷ける内容でした。2012/06/22
Ryosuke Maeda
2
この本を読んで、昔インドでやたらとエネルギーを感じた理由が分かった気がする。刹那的に生きるのもまた良し。2012/05/20