中公文庫<br> マルセル・エメ傑作短編集

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中公文庫
マルセル・エメ傑作短編集

  • 著者名:マルセル・エメ【著】/露崎俊和【訳】
  • 価格 ¥942(本体¥857)
  • 中央公論新社(2012/11発売)
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  • ISBN:9784122045866

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内容説明

不意に成長を始めるサーカス団のこびと、独軍占領下のパリの夜を行く闇屋、裏社会に身を投じる青年、場末の街路をさまよう浮浪者、上流階級の偽善、農婦が語る飼い犬たちの思い出……ユーモアとリアリズムとファンタジーによって〈良識〉を反転させる異貌の語り部エメの奇妙な魅力に満ちた世界を味わうための七つの短編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

12
「パリ横断」で、ドキリとする台詞があった。マルタン曰く、「大切なのは、食っていくことだ。とりわけこんな時勢だからな。落ち目のときだって(略)満足におまんまにありつけない奴だって、恋心まで腹から消えちまうわけじゃないからな」(98頁)。人間、食うだけが楽しみというのもあるが、春ということもあって、恋らしきことも必要かもな。ま、いい歳して・・・という気もするが。2013/03/15

YO)))

11
傑作短編集の名に恥じない素敵な一冊.クライム・ノベル風のものから寓話的なファンタジーまで,多彩な7編が収められているが,いずれも端正な筆致の中にペシミスティックな諧謔が効いていて,ほろ苦い風味が堪らない. 私的なベストは,1年を24ヶ月にする奇妙な法律が制定された後の騒動を描いた『ぶりかえし』.ラストが何ともエロティックでグっと来る.冒頭では恋にのぼせ上がった世間知らずのお嬢さんに過ぎなかったヒロインが,一度子供(の肉体)に還ることで一筋縄ではいかない女に成長する,という逆説的な筋書きの面白さ.2012/07/13

アリ子

5
「こびと」「エヴァンジル通り」まで読んで返却期限切れ。両方ともとても印象深い。残りはまた改めて。2017/10/05

あくび虫

4
不思議な話なようでいて、物凄く近い。過剰な魅力はなくて、滋味豊かというのが相応しい。理知的な哀愁というか、渇き、はたまた憂い、そんな何かがあります。それは鬼気迫ったもので、抑圧されて、限界まで引き絞られている。――もし表題作を選べと言われたら『ぶりかえし』をあげます。想像したら下手なホラーよりも怖くて、印象に残ったので。でも、一番じわじわと胸に迫ってきたのは『こびと』です。全編を通して漂う緊張が、ここで端的に表されている気がします。――とりえず、ミシェル・ルグランの曲をイメージしてはいけません。2016/11/21

nightowl

2
前回読んだ角川文庫版「壁抜け男」よりユーモアは薄めの短編集。成長したことから生まれる悲しみ「こびと」、抗議行動への誇りと恋愛第一主義が何とも分かり易い若返り大騒動「ぶりかえし」、これまで飼ってきた犬について語る「われらが人生の犬たち」(今後犬テーマのアンソロジーがあれば絶対に収録希望)、お金持ちのお坊ちゃんを唆して資本主義万歳!という雑誌を作らせた結果「後退」などは好みで作品により好き嫌いがはっきり分かれる一冊。残りのブラックな「エヴァンジル通り」「クールな男」「パリ横断」は展開のもたつきが気になり×。2016/01/31

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