内容説明
「ふたりのシンデレラ」を上演するため、合宿中の劇団を襲う惨劇。主役を巡り、女優や演出家が対立する中、一人は殺され、一人は失踪、一人は重傷を負い記憶を……。シンデレラが仕掛けた罠とは何か? 事件の証人であり、犯人であり、犠牲者で、探偵役で、ワトソン役で、記録者で、容疑者で、そして共犯者でもある――一人八役の「わたし」が語る驚愕の真相とは!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
93
冒頭で「わたしはこの事件の証人であり、同時に犯人であり、犠牲者でもある。それどころか探偵役でもあり、ワトソン役も務める事件の記録者でもあり、さらに容疑者でもあり、共犯者でもある。そんな私はたった1人の人間である」と1人8役のミステリと、即ちジャプリゾの『シンデレラの罠』へのオマージュ作品だが、更に『ガラスの仮面』×孤島物を掛け合わせた作品である。サブカルチャー好きな鯨氏の趣味が横溢している設定だ。鯨作品は登場人物達の男女関係が実に生々しく描かれるが、本書はハードルを上げた分、いつもより顕著に感じられた。2025/11/08
とも
40
★★★良質ミステリー。とはいえ、途中で大よそは想定ができる程度に散りばめられたキーワードは、プロのミステリー作家でないためか。2015/07/29
coco夏ko10角
25
「一人八役」な実験小説。合宿中に殺人事件、孤島なので犯人は劇団員の誰か…。伏線もあったし消去法でいってもそうなんだろうけど、うーん。でも確かに一人八役だ。2019/05/22
きっちゃん
22
孤島で起こる殺人事件、犯人は9人の中に必ずいる。語り手は記憶喪失で・・・推理小説の王道ではあるが、犯人は予想通り。分かりやすい伏線てどうなんでしょう。それと、医学的な部分では、そんな短時間で出来るの?その後のフォローは?などツッコミどころ満載なのが残念。2014/12/04
TheWho
18
復絶頂な歴史解釈で異彩を誇る著者が描く、演劇の脚本と実際に起こった殺人事件が絡んだシリアスなミステリー。劇団の合宿で孤島で起こった騒動後に起きた殺人事件。容疑者は失踪し、容疑者の妻は記憶喪失。そして登場人物全員が、殺人動機を持ちグイグイと引き込まれていく展開に一気読みであった。そして驚愕な真相の結びに著者の新たな魅力を感じられた。既読の爆笑物とは違う面白い一冊です。2017/01/22




