チャット恋愛学―ネットは人格を変える？ - ネットは人格を変える？

著者名：室田尚子

ＰＨＰ研究所（2011/05発売）

• ISBN：9784569644929
• NDC分類：547.48

内容説明

「チャット」とは、手紙のように文字を使いつつ、電話のような同時双方向性の会話を可能にした、新しいコミュニケーション・ツールのこと。
画面上で不特定多数の人と交わされる、匿名の言葉のやりとりは、実際の会話以上の“快楽”をもたらしてくれる。
だが、誤解や齟齬から、人の心を修復できないほど傷つけてしまう事件に発展することも少なくない。
はたしてチャットは人間を変えてしまうのか―。
「電車男」や「首輪男」の例もあげつつ、「恋愛」を題材に、チャットがもたらす快楽とその危険性を説く。
チャットの魅力と危険性を、電車男、首輪男の例もあげながら、「恋愛」を題材に徹底分析。ネットはほんとうに犯罪を誘発するのか？　

「チャット」とは、手紙のように文字を使いつつ、電話のように同時双方向性の会話を可能にした、新しいコミュニケーション・ツールのこと。画面上で不特定多数の人と交わされる、匿名の言葉のやりとりは、実際の会話以上の快楽をもたらしてくれる。だが、誤解や齟齬から、人の心を修復できないほど傷つけてしまう事件に発展することも少なくない。はたしてチャットは人間を変えてしまうのか？　チャット恋愛がもたらす喜びと困難さの原因はどこにあるのか？　チャット恋愛こそ真実の恋愛なのか？　それともヴァーチャルな幻想なのか？　人間のもっともリアルな欲望が表われる「恋愛」を題材に、チャット（およびネット）がもたらす快楽とその危険性の内実を浮き彫りにする。現代社会に生きる私たちのコミュニケーションのあり方を明らかにする。

●第１章　ネットにおけるコミュニケーション　
●第２章　チャットとは何か？　
●第３章　チャットが届けるもの　
●第４章　チャット恋愛の心理学

目次

第１章　ネットにおけるコミュニケーション
第２章　チャットとは何か？（パソコン通信時代のチャット；チャットの現在）
第３章　チャットが届けるもの（ハンドルネームとしての私；見知らぬあなたへ；チャット空間とパーソナル空間　ほか）
第４章　チャット恋愛の心理学（加速する恋愛；チャット恋愛は純愛か？；チャット恋愛と「本当のわたし」　ほか）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ちぃ]

大変参考になりました。ヴァーチャルとリアルを切り離して考えヴァーチャルのみで力を手に入れようとするとそれは破たんがあり得るのです。

2023/05/11

[貧家ピー]

サブタイトル「ネットは人格を変える？」 著者は否、と結論付け。そう思う。 チャットの説明、パソコン通信の歴史まで解説、恋愛への言及は少なめ？読めば読むほど、通常の恋愛を差異がないと思えてきた。

2007/06/11

[竜崎]

2005年刊行。著者自らチャットに没頭した経験を持ち、チャットの特性・チャットの恋愛の起こり方・結末等を書いている。私自身も小学生の頃にチャットに傾倒していた時期があり、本書に頷く点が多々あった。勿論、私は本書に書かれているような濃密な人間関係を構成していたわけではないが。ただ、著者に一言、言わせてもらえばp181「マンガやアニメといったヲタクっぽい文化を好む少女たち(彼女たちはネットでは「腐女子」と呼ばれる)」は誤りであるし、ヲタク文化については軽く触れる程度ではあるが正されるべき箇所であると思う。

2011/10/08

[caramelscratch]

すなわちオンライン・ペルソナが生まれてくるわけだが、その人格が、現実の社会で肉体をもって生活している「誰か」とリンクすることはない、という意味で「匿名の存在」なのだ。現実の社会とリンクしない、ということは、私たちに、自分の発言によって直接社会的な被害を被ることはない、という安心感を与える効果をもっている。（p115）

2013/08/20

[ところてん]

典型的なPHP新書です。

2013/07/19