内容説明
幕末、甲斐の侠客・竹居の吃安の娘お冴えは売り出し中の若親分・黒駒の勝蔵と愛しあうが、吃安が獄死し一家は離散する。女壺振りに身を変えたお冴えは、清水の次郎長と抗争を続ける勝蔵を助けるため次郎長に近づくが、逆に惚れ込まれて後添いに……。二代目お蝶の短くも鮮烈な生き様を描く傑作時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
38
鮮烈な女の生涯と言えるでしょう。清水の次郎長の妻となった二代目お蝶の生き様がとにかく凄いです。謎の多いお蝶が甲斐の侠客・竹井の吃安の娘であり、黒駒の勝蔵に想いを寄せる女性として描かれています。身分を変えながら生きるその様子は、父吃安の獄死の一家離散から始まるんですね。勝蔵は次郎長と抗争しているため、助けに入り、次郎長の後添いに入るのが切ないです。2人の侠客に愛されたが故の運命の皮肉がお蝶にはあったんでしょうね。寂しく、不幸で哀しい女性という印象ばかりで、ほんの少しでも光や救いがあればよかったと思いました。2014/09/23
としえ
4
清水次郎長の妻・二代目のお蝶となった女の生き様を書いた物語。謎の多い二代目お蝶が、甲州・竹居一家の吃安親分の娘で、次郎長と反目していた勝蔵に恋焦がれていた女として書かれている。実在の人物を題材にしているだけあって、結末は解かってはいるものの、読んでいる途中も読んだ後も、お蝶に対して「寂しい人」「不幸な人」「悲しい人」といった想いしか感じられない。どこかで幸せな時があれば良いのだが、あってもほんの一瞬で、とても救われない感じだ。2013/03/22
なあちゃん
2
二代目お蝶さんが、本当にこんな生い立ちのひとだったら、何とも、可哀想。 2014/05/06
fukufuku
1
タイトルといい、装丁といい、普段ならまず読まない分野。任侠ものの時代小説です。 主人公は清水次郎長の二人目の妻。 出地などが不明な女性らしいです。 その二代目お蝶を、甲斐の侠客の娘として描き、なかなか、えげつなかったらしい、甲州の闘争と一緒に描いてます。 住んでいる地域と密接に関係するので、個人的に妙に読みやすく、好きな幕末でもあるのでなんとか読めました。2017/08/25
ぺしみち
0
可もなく不可もなし2013/06/15