内容説明
世界に稀有な「落語」という芸が、ひとつの頂点を極めていた昭和30年代中期。落語に淫した随筆の名手が、その楽しさを愛惜をこめて描く。客席から見た、昭和の名人たちとその芸。落語があざやかに人間を描く様。服飾や食べ物、特殊な言い方など、知っていればさらに落語鑑賞の愉しみが深くなる知識。現代の落語ファンも必読の一冊。
目次
落語談義
落語博物誌
高座百景
五人のはなし
落語歳時記
新作問答
落語結縁
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
海恵 ふきる
10
冒頭の「『火事息子』における親子像」が素晴らしい。また普段落語を聴く時は、よく知らないが故に江戸時代の服装の描写を聴き流してしまいがちなだけに、「服装描写考」の章は特にありがたかった。落語に詳しくなればなるほど、より新しい発見がありそうな予感がする本だ。落語の初心者にはわかりやすく落語の奥深さを垣間見せてくれるし、聴き巧者が読めば一緒にニヤリとできるような本。そんな芸当を可能にした江國滋の深い落語愛には、落語好きの端くれとして頭が上がらない。2021/08/11
時次郎
3
昭和の名人達に間に合った世代。本当に羨ましい。作者の落語に対する深い愛情を感じる名著。あとがきにある、落語に出てくる分からない言葉が、当時も今も同じであった。2014/03/26
黒伊佐錦
1
落語に関する様々なエッセー集。よく調べて書かれていたり、寄席での様子が分かり、興味深い。 新作落語への考えた方もおもしろいし、納得できた。新作落語には人間描写が少ないが、古典落語で描かれる人間は生きてる時代は違えど「永遠の人間性」を備えている。 自作の新作落語は古典風新作で割と面白い。三笑亭夢丸新江戸噺のような感じ。 矢野誠一の解説も通常の解説の量ではないくらいたくさん書かれていてよい。2026/05/08
feodor
1
江國さんの本がなかなかにおもしろかったので、購入したのだけれども、正直落語はあまり知らない。知らないけれども、語り口がおもしろいので、ついつい引き込まれる。 桂三木助の死後、志ん生が残された子を噺家として面倒をみようとした話なんかは、本当かわからないけれども、なかなかにオチも聞いていてほろりともする。 落語の世界にも、少し道を開くような、素晴らしい本だと思った。2009/12/18
シルヴァ
0
落語という話芸が,世界に誇るべき芸術であることを教えられました。また,落語は往事の風俗や人情を語り継ぐタイムカプセルでもあるのだなぁと。2013/03/18




