文春文庫<br> 海辺の扉 〈上〉

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文春文庫
海辺の扉 〈上〉

  • 著者名:宮本輝
  • 価格 ¥513(本体¥467)
  • 文藝春秋(2013/04発売)
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  • ISBN:9784167348182
  • NDC分類:913.6

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内容説明

宮本さんの長篇にはヨーロッパを舞台にした作品が。『ドナウの旅人』(ドイツ・東欧)『オレンジの壺』(フランス)『睡蓮の長いまどろみ』(イタリア)……。この小説はギリシャを舞台にした作品です。観光地でもリゾートでもなく、苦い現実をはらんだギリシャ。子供を事故で死なせた宇野は、そこでガイドとして働いています。ギリシャ女性・エフィーとの新しい恋。しかし、不気味な影が二人に忍び寄る……。宮本さんの傑作ロマンを堪能してください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

凡人太郎

22
宮本さんの独特な雰囲気が出てますね。少々ドロドロ感が上巻にはありますが,下巻は。2015/06/21

June

20
事故とはいえ息子を自分の過失で死に至らしめてしまったという重いテーマを引きずり進む物語。ギリシャという異国の地で定職に就けず違法な運び屋に手を染める主人公は、あまりに自分と世界がかけ離れていて想像がつかない。得体の知れないものに怯える恐怖だけが伝わってくる。運び屋の案件が怪しくなり逡巡する思いが人生の暗雲と重なり合うような。エーゲ海クルーズというきらびやかな舞台でも、主人公の不穏な心が伝わり華やかな気分は味わえない。生きること、運命とは?なげかけられるものが漠然としすぎて、全然考えはまとまらない。下巻へ。2016/11/06

あい

20
過去に自身の過失で息子を殺してしまった満典と、ギリシャ人である妻・エフィーを中心に物語は進んでいく。人を殺すまではいかなくとも、ずっと引きずってしまう過ちや後悔は経験したことがあるから、満典の気持ちはよくわかる。また騙しているつもりはなくても、受け身な生き方をしてしまい、結果的に人を騙していることになってしまった部分も頷けた。生きるのにはエネルギーがいる。そのなかにあって満典とは違い、エフィーは芯が通った強い女性だ。単なる慰めではなくして、「あなたの死んだ子供を私が生んであげる」とはなかなか言えない。2014/12/09

てふてふこ

17
事故で我が子を殺してしまった主人公。その時妻は決して許さず、ギリシャへ逃亡。観光で幾分には十分だろうが、そこで生活していくには多くの嘘をつき、国民権を得、主人公曰く「日本人はスタイルが悪い」という負の感情をさらりと流さなければならない。事勿れ主義の主人公に苛立ちを覚えるが、昔愛した人を忘れられないという人は結構多いと思う。現妻・エフィーを大事にしてあげてよ・・・2013/07/03

ひろいてん

5
「夕日と海とがひっつき、途方もなく巨大な夕焼けが、あらゆる刹那の火の善と悪をまきちらした」一番印象に残った文章です。感性がすごいです。「母親が死んだら、子供はそのとき哀しくて泣き暮らす。父親が死んでも哀しいことに変わりはないが、五年、十年たつごとに、思い出して泣く回数が増える。父親の死は、人間に、いろいろな形の愛情というものを教える」「心は、砂漠に雨を降らせることも出来るっていったわ」「凶か吉か…。正しいことか、間違ったことかを考えたくなかったのである」2016/03/08

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