ちくま新書<br> 哲学思考トレーニング

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ちくま新書
哲学思考トレーニング

  • 著者名:伊勢田哲治【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2015/02発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480062451

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内容説明

哲学は工夫しだいで思考のスキルアップに直結する。分析哲学、科学哲学、懐疑主義、論理学、倫理学などの思考ツールを使いこなす術を完全伝授! もっともらしい屁理屈や権威にだまされず、筋道を立てて考え抜くコツが身につく。すぐにも応用可能なノウハウを習得しながら、哲学的思考の真髄も味わえる知の道具箱。

目次

第1章 上手に疑うための第一歩―日常会話のクリティカルシンキング(まずは疑う習慣から 議論とは何か 議論の特定の手法 行間を読んで議論を再構成する)
第2章 「科学」だってこわくない―科学と疑似科学のクリティカルシンキング(「科学的事実」の持つ権威 今西進化論の事例 ほか)
第3章 疑いの泥沼からどう抜け出すか―哲学的懐疑主義と文脈主義(デカルトの方法的懐疑 方法的懐疑の破壊力 論理的展開 文脈主義の考え方)
第4章 「価値観の壁」をどう乗り越えるか―価値主張のクリティカルシンキング(価値主張 「生きる意味」の事例 ほか)
第5章 みんなで考えあう技術―不確実性と合意のクリティカルシンキング(地球温暖化をめぐる論争 不確実な状況における推論の問題 立場の違いに起因する問題 クリティカルシンキングの倫理性)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

41
分析哲学なので、大陸系の存在論からイメージされる哲学ではありません。そもそも論理って何だろう、科学的って何だろうという、大きな見通しのある本です。実際、哲学書を普段読んでいて日常生活に最も役立っているのは、利害が関係する言説の立論や相手に対する反論の即興性が磨かれていると感じるときです。しかも、論破することが目的ではなく、相手を不快にせずにこちらの主張を示すことは、経済社会を生きていく上では大切なことです。少しアバウトだが、そういう要求に応えてくれそうで、情報量が少ないのでサクサク読めます。2019/02/20

テツ

32
答えが出ない事柄について延々と考え続ける経験というのは大切だ。世界は、社会は、自分自身も含めた人間は綺麗に割り切れるような創りをしていない。安易に答え(と自分が思ってしまった到達点)に逃げて思考を止めてしまってはならない。思考を丹念に丹念に積み重ねる過程は辛く苦しい。それでもそうした習慣を身につけることによって自分の心や感覚の立ち位置というものがぼんやりと掴めてくる。むりやりに答えを出して楽になるのではなく、問題に対して真摯に真剣に取り組み考え抜く力を身につけるための訓練。さあ死ぬまで考え続けよう。2019/11/20

そうたそ

23
★★☆☆☆ 「"哲学"思考トレーニング」とあるが、実質はクリティカルシンキングについての本である。入門編として最適な内容ではあるが、それでも簡単な内容ではない気はする。哲学という言葉に引っ張られて読むと肩透かしを食らうかと。クリティカルシンキングについての本としては、よくまとまった一冊であると思う。自分の欲する内容ではなかっただけ。2019/12/03

hk

22
「情報の精査をするにあたっ4つの留意点がある。①前提(原因)と推論(論理展開)を明確に峻別する②言葉の摺合わせを行う③前提部分に瑕疵がないか点検する④推論部分に手落ちがないか点検する ①②③④をしっかりと行って初めてその情報命題の”真贋”を判定できるのだ」 これが本書の骨子。 だがどうだろう? 本書はあれもこれもと詰め込んだため、本筋部分が見えずらい。どこが根幹でどこが枝葉末節なのかがよく解らないのだ。著者の伝えたいという熱意だけは伝わる。だがあいにく書物において肝心肝要なのは、熱意ではなく内容なのだ。2019/10/28

田氏

20
どうやって考えを考え抜くか?よりは、どちらかというと、考え抜いても仕方がないこと(そして何を「仕方がないこと」に選り分けるか)をどう処理し、議論を「マシ」なほうへ持っていくか?に比重を置いたトレーニングテキスト。途中経過として、「妥当」がいかに厄介なモノかを見せられる。妥当さを厳密に要求してしまうと、なんやかんやで議論は焦土と化すから、まあもっとマシなやり方はあるよねっていう。で、ここではマシなやり方として文脈主義を提案し、その文脈において「マシ」を目指す。「マシ」の定義が迷子だけど、そういうものである。2023/12/20

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