内容説明
小説の書き方・読み方がクスクスわかる! ヒカルがボケて、いとうがツッコむ! 芥川賞作家と稀代の仕掛け人が捨て身でおくる、“漫談スタイル”の超ブンガク実践講座。渡部直己(座付作家)による、ためになる脚注付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
41
読むまでは、いとうせいこうさんと奥泉光さんが文学作品を紹介する漫談形式対談本なのかと思っていたのだけれど、作品も出ては来るけれど、文学についてお2人が語った本(文学論)という感じ。ベストセラー作品を軽くディスったりしていたり、サイン会でフルートを吹く奥泉さんの話なんかはおもしろかった。吹きたくてしょうがないのか(笑)奥泉さん、いいなぁ!2016/04/26
山田太郎
18
奥泉光ってこんなお笑いキャラなんだ?いとうせいこうってなんでこんなにうさんくさいんだ、個人的に。2011/11/16
てふてふこ
15
「小説は読者がつくりあげる」とあるけれど、馬鹿な読解者について饒舌にコメントしてるところから、作り手の悩みは尽かないでしょう。そんなお二人の思考と仕事っぷりを興味深く読みました。奥泉さんのユーモアに対する心意気を知って、益々好きになった。2014/01/25
阿部義彦
14
図書館本。いとうせいこうさんと奥泉光さんのお二人による筋書き無しの文学そして文芸評論に関するお客を前にしての漫談を後に読者に分かりやすく活字化したもの。砕けた口調の割には笑いもあり、評論に関してはテキスト論とか記号論なども織り交ぜて分かりやすかったです。「今ウケてるのってほら『世界の真ん中でどうこう』とか。」「なんか叫んでるやつね」「ぼくは読むつもりないです、想像ではまあ、やたら泣いたり、障害や不治の病の人が出てきたり、そんな話じゃないですかね?」大当たりでバッサリとか、幼稚園の話とかじんわりきます。2023/01/15
ぺったらぺたら子
8
殊更にオ勉強せずとも小説読んでたら既に気づいていないと駄目な事ばかりではある。勿論勉強になりますが。最初笑いつつ読んでいたが、三人共にポストモダンの袋小路でジタバタしてるのが見えてきて次第に暗澹たる気分に(注釈者のみ全く無自覚だが)。如何せんやや古い本なもので。現在、いとう氏が再び書けるようになったのも、新作「小説禁止令〜」で回教神秘主義歌謡の巨匠を礼賛する場面があるように、袋小路をどうやって出るか、ではなく袋小路の外には別の系がある、という事に気づいたという事だろう。実はそれこそ草枕の主題ではないか。2018/04/18