内容説明
原爆投下は日本に対して使ったのではなく、ソ連との政治戦争で使用した。戦争とは何だったのか?日本とは何だったのか?戦後60年改めて問う。
目次
第1章 懲罰と拘束
第2章 世界的脅威の正体
第3章 改革と再教育
第4章 最初の教科「合法的に行動すること」
第5章 鵞鳥のソース
第6章 第五の自由
第7章 誰のための共栄圏か
第8章 教育者たちの資質
付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろし
15
これは、凄まじい。戦後わずか3年(占領中)に、GHQ内部の人間から、ここまで透徹されたリアリズムで書き抜かれた本を初めて読んだ。西田文郎さんが『これだけは』と仰ってただけはある。前書きにある人生の先輩方と同じ言葉を送りたいと思います。『この本を一人でも多くの日本人に!』、『この本を絶対に絶版にさせるな!』2015/12/04
Mitz
6
「近代日本は西洋列強がつくり出した鏡であり、そこに映っているのは西洋自身の姿なのだ(326頁)」・・・1948年の出版時、マッカーサーにより翻訳出版が禁じられたという本。日本が満州事変、支那事変を経て真珠湾攻撃へと突き進むまでの経緯、中国をめぐるパワーゲーム、そして近代日本と欧米列強の関係性について冷静且つ緻密に分析されており、何より戦後すぐに‘米国人によって書かれた’という事実に驚かされた。‘法的擬制’、‘二重基準’、‘権益確保’、‘人種問題’等のキーワードでまとめてしまうには、深く重すぎる内容。必読。2012/11/18
√る~と
4
大東亜戦争をはじめとする近代日本の戦争は「野蛮で凶暴な侵略者」の日本と「自由と平和の守護者」米英露と中華連合国の戦いっていう単純化された歴史では無かったということです。学校で歴史を教えてる教師や「戦争法案」とかレッテル貼する政治家はこういう本を読んでるのかな?欧米流で合法的な国家運営をしようとしていた日本が、桁違いに凶暴な西欧帝国主義国家の狡猾さに翻弄されたってことでしょう。無慈悲な殺戮に斃れた我らの祖父母は無念でしょう。何故勝てない戦争をしたのか知りたい人は読みましょう。2015/11/14
にゃ
4
アメリカ人による太平洋戦争の経緯の報告です。おそらく第二次世界大戦を客観的に評価できる日本人は一人もいないはずです。そういう意味で本著は日本人に有意かと思います。若干、著者が日本の肩を持ち過ぎな気もしますが。。個人的には戦争にも軍拡にも憲法改正にも反対ですが、当時の日本の状況をよく知りもしないで、開国に踏み切った日本政府は愚かだった、で済ませてしまうのは見識不足だと反省しました。戦争を起こさないためにも今こそ読むべき本かと思います。2015/03/15
結城あすか
4
この本で秀逸なのは、当時の中国情勢を現実的に捉えていることで、満州は歴史的に中国本土とは別の勢力圏にあることや、南京の王兆銘政権が日本の傀儡であるのと同様に重慶の蒋介石政権が欧米の傀儡政権であって、清朝滅亡以降、正当性を持って中国を統一した政権が存在していないことをちゃんと指摘してる点かにょ。2007/11/15