内容説明
知的レベルが高いため、見えにくい障害。理解されない子どもの孤独と悩みは深い。目を合わせない、反応がない――自分の子がなんとなくちがう、と感じたら……
目次
第1章 なんとなく変な子どもたち
第2章 少年犯罪の背景にあるものは
第3章 根源的な不安を抱えるボーダーラインチャイルド
第4章 親にサインを送れない子ども
第5章 見極めがむずかしいアスペルガー症候群と自閉症
第6章 周囲の理解を得るために
第7章 治療はどこまで可能か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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19
自分の周りに、少し変わった人がいる、そんな時どういった対応をしますか?あのひとは変人だと距離を置くのか、それともそんな人もいるのだと受け入れ、相手に適した人間関係を築くのか。発達障害や知的障害は軽度であればるほど、周囲の人には理解されず、人間関係がうまくいかず自分の殻に閉じこもってしまうこともしばしばあります。発達障害には生物学的要因は不明な点が多いものの、心理学的な問題は親や友人など、周囲との関係性によって少なくすることができるのです。少しでも多くの人が障害に対し理解を深めることが出きれば、2014/06/26
りんふぁ
3
子どもに騙されても、大人が子どもを騙してはいけない、が、印象に残った。2014/05/15
寺島ヒロ
3
2005年刊。日本では珍しい児童精神科医の著者が、発達障害医療の立場から自閉症児やそれを取り巻く社会について論じた本。自身の体験談としてアスペルガーの人を「なんとなく変」と感じるのはどういう時なのか、強度行動障害はどういう行動に表れるのかなど、他の本では端折られがちな部分が丁寧に描かれている。キレート療法(への期待)が広まり収束した、一部始終についても軽くだが触れられている。2013/05/26
とーとろじい
2
第一章から現代の若者を憂慮する内容で、さらに全ての章を通じて親の教育不全を批判するきらいがあり、後半の先天性の理解やサポートの必要性を訴える下りが二次的なものに感じられてしまう。親の子供への教育を重視するなら、親への教育(が徹底される社会システム)もまた必要であろう。想像力の欠如を感じてしまう。また本書は境界性人格障害をも扱っているのでなおさら環境要因が強調されている。その点は注意すべきだが、主に自閉症に関して著者の臨床に基づく具体的な知識は、発達障害の理解の一助になりうるだろう。2021/06/16
五月のつつじ
2
読んでるうちに自分の育ち方や将来の育て方に求められるものが大きすぎるように思えて結構ダメージくるわぁ…2016/01/21