内容説明
スポーツジャーナリストの水野は、家族を捨てたプロレスラーの父が死んだと聞き、メキシコの街セントロへ向かう。太陽のように崇められた人気仮面レスラー“エル・ソル”とは、どんな男だったのか。プロレスが唯一の娯楽という貧しい街で、孤児達をかわいがったという父。なぜ、彼は私を捨てたのか――。街で暮らしながら、関係者の証言を集めていく水野が知った父の実像とは……。熱血青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hisato
65
【図書館本】堂場瞬一さん本、初になります。何から見ようかあんまり考えないまま、適当に借りてみた一冊でしたが、思いの外面白かった。ルチャ・リブレはおろかプロレスにも興味なかったため、読了できるか怪しかったものの、別にルチャ・リブレの予備知識無しでも楽しめました。舞台がメキシコの田舎町という点も案外、非日常的に感じられて、没入できたのかもしれないです。 千夏のツンデレ気味な反応も男ばかりが出てくる話の中で良いアクセントになってました。 最後の最後は描かれていませんでしたが、昌喜はどちらを選んだんでしょうね。2016/11/05
ペトロトキシン
13
家族を捨ててしまった自分の姿を封印しているのがマスクだったのであろう。そこにはマスクマンとして新たな人生を歩みながらも、捨ててしまった家族を思い、子供たちに接し町の人々に勇気と希望を与え続けている姿があった。ラストのマスクに書かれていた名前は、決して息子のことを忘れた訳じゃない父親としての思いが込められている。2012/07/17
速読おやじ
10
他のスポーツと比べると題材としては難しいプロレス、2002年の作品という事で少し筆がこなれてないか。僕が筋金入りのプロレスファンだからこそ、作品に余りにも期待し過ぎたからなのか、やや消化不良。何故そう思うかと言うと、やはり折角ルチャ・リブレを描くなら、その試合シーンを文章にして欲しかったなあ。ルチャは飛んだり跳ねたりのイメージが多いかもしれないけど、意外と関節技(といってもストレッチ系が多い)のバラエティも豊富なので、それを小説で体感したかった。でも、最後本当はどうだっなのかなあ。あのマスク!2020/09/02
たカス
6
★★☆☆☆リングにー♪稲妻走りー♪最後はマスクを被ってリングに上がるのかと思ったよ。2018/03/10
Ujiro21
5
家にいない父親、同じ立場で存在に触れる時、力強く生き様を肯定できる。御都合展開ありつつも主題を期待を裏切らない展開に小説を読む楽しさを再確認する。 2018/11/30