内容説明
明治中頃、大人気を博した英国人落語家がいた……。革命で英国に避難していたフランス人貴族が、王政復古で妊娠中の妻を捨てて帰国。失意と貧しさの中で生まれた双子の数奇な運命がドラマティックな「流の暁」。偶然拾った一本の針から殺人事件を解決する「探偵」が魅力の「車中の毒針」。――彼が得意とした西洋人情噺の中からエキゾチックな風俗と独特の語り口で魅了する探偵小説全4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたぴょん
1
明治期に青い目の落語家として活躍した快楽亭ブラックが得意とした翻案落語の語り下ろし。「流の暁」「車中の毒針」「幻燈」「かる業武太郎」の4編を収録していて、語り下ろしシリーズも当時、売れたのだろうことが窺える。寄席落語の中で謎解きもできないという事情もあるのか、殺人事件も起きるがミステリというよりサスペンス。筋は流石に古いけれど、明治時代の寄席に潜り込んだような楽しさはあった。ブラックさん最後は落魄したそうだが、英領のオーストラリアはアデレードに生まれ、6歳で渡日して落語家になった本人の経歴も面白そう。2026/02/28




