内容説明
こんな結婚しなきゃよかった――30歳にして家庭生活に絶望した綾は、子育てを放り投げ、「出会い系」にのめり込んだ。見つけた相手は自称作家の中年男。ついに不倫を体験した綾は、自分が飢えていたのは、愛でも性でもなく、危険な刺激だと気がついた。夫を困らせること、いっぱいしたい――屈折した形の復讐は、万引き・詐欺・AV出演とエスカレート。そして禁断の遊びは、究極の犯罪へ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
146
うまくいかない夫婦に巻き起こる犯罪事件をサスペンス・ミステリ風に追い続ける吉村達也さんの文庫書き下ろしシリーズの一冊ですね。本書は冒頭で殺人事件が起きて探偵役が謎を解くというオーソドックスなミステリではなくて小さなサスペンスの積み重ねが最後のクライマックスでどういう結末を迎えるのか?が興味の中心の異色の小説ですね。本書はできちゃった婚で結ばれたヒロインが夫から無視された事に絶望し悪の道に堕ちて行く展開で意外性は少ない物のヒロインに感情移入して読み応え十分でしたね。皆さん結婚相手は体より心で選びましょうね!2020/01/23
mr.lupin
58
家庭生活に絶望した綾は子育ても放り投げて「出会い系」に手をだした。見つけた相手は自称作家の中年男。その男の言うがままに、整形手術を施し身も心も全然違った女性へと変貌していく。主人公の綾、チョッとダメ過ぎる。信用し過ぎと言うか流され過ぎて読んでいて、もう少し自分の意思を持たないといないなと思った。最後もあらっ、そんな展開になるの!?とチョッとびっくり。吉村達也さんの作品、連続して読了したけどう~ん今回も微妙なところかな。☆☆☆★★2020/04/29
mika
29
単調な日常に飽きてしまった主婦が、出合い系サイトにはまってしまい… と、序章はあっても不思議ではない話しではあるが、どんどん主人公がぬかるみにはまっていく様が滑稽というか、異様というか…。何とも言いようのない展開。そして驚きのラスト。ただ、薄っぺら感は否めない。まぁサクサク読めるのでちょっとした骨休め程度の感覚でいいかもしれない。可もなく不可もなくといったところか…2017/06/29
せっちゃんさん
19
何だろう…これは。ギャグとシリアスの境界を絶妙なバランスでひた進む。「そんなバカな…」と笑って良いのか、絶望すべきか。自分勝手な夫に見切られた妻。子供に八つ当りしないよう出会い系サイトデビューして憂さ晴らし。スリルを求め万引き、整形、詐欺、AV出演とエスカレート。その行き着く果てには…。少し古風な台詞や雰囲気なのに、今一つ風情がないのは、キャラがブッ飛び過ぎて全ての空気感を吹き飛ばしてるからか…。頭の中を空っぽにしたい時に読みたい1冊。2023/03/25
keith
18
夫に不満を持つ妻が、男にそそのかされて、整形、万引き、AVへと堕ちていく話。その男の裏にはある秘密があったわけですが、あまりにも軽い話でした。2019/10/12