内容説明
天才棋士と騒がれる一方、ギャンブルで作った借金は億単位、正妻と子供のいる自宅には三年間も帰らず愛人の所に入り浸り、酒での乱行も数知れず。そんな秀行さんも齢八〇を超えた。とっくに博打場でくたばっているはずが、死神にも見放されたらしい。三度のガンを患うも、みな克服してしまう。「こんなに長く生かしやがって」憎まれ口をききながら、今日も競輪場に通う――。無頼派勝負師が語る痛快なるその半生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
80
NHKで藤沢秀行氏を追ったドキュメントを見てから気になっていた人だ。ギャンブル・酒・女の天才棋士、競輪の一点買いで400万近くを当てたという話の一方で借金も相当、アル中であり実の家には3年も帰らずといった多くの伝説のような話がたくさんある方だ。ガンにも侵されながらそれでも囲碁の世界で活躍された。今、将棋にしろ囲碁にしろコンピューターと勝負するのが流行っているようだ。そしてどんどん強くなっているがギャンブルをして大酒を呑んで女性関係も絶えない囲碁をするコンピューターはない。氏のような棋士には絶対勝てまい。2017/01/07
こみっくま🍏10
43
北大路公子さん推薦本。藤沢秀行・囲碁九段、名誉棋聖という素晴らしい肩書を持ちながら私生活は波乱万丈。結婚2年目にして飲む・打つ・買うを徹底的に行い、莫大な借金を負う。愛人宅に行ったっきりの3年。認知した子は4人。酒におぼれ癌になるが死ぬなんて全然怖くない!と豪語する。こんな人家族にはゴメンだと思いつつ読むが奥様が凄く肝の据わっていて当人よりも最終的には素晴らしい人という結論に至る(笑)がこれだけハチャメチャしても人が離れず傍にいるというのはやはり藤沢さんの人徳かな。まさに豪放磊落の人。2009年逝去。2019/01/31
kokada_jnet
25
秀行先生が若い頃、日本棋院で流行っていたという「受け将棋」というゲームが紹介されているが。この関根名人が書いている「手数将棋」のことかな。ある手数以内に相手玉を詰まさないと、攻め方が負けという。http://www.aozora.gr.jp/cards/000268/files/46287_22314.html と思ったら違って、駒を使ったトランプゲームのような独自ゲームだった。http://www.sousakuba.com/games/uke-shogi/index.html2016/03/06
ばっか殿すん
23
破天荒に生きる…。このおっさんが魅力的なのは突き抜けているから。このおっさんが迷惑なのは突き抜けているから。それが良いんだか悪いんだかはその人自身でしかわかりませんが、これが自分の"人生を生きる"ってやつでしょうか。 野垂死に…。それもいいかもと思わせてくれる本でした。2015/10/13
LaVieHeart
10
北大路公子さんのエッセイで紹介されていた一冊。囲碁棋士の故・藤沢秀行氏のエッセイである。囲碁は全く分からないながら、あまりに破天荒な人生に唖然ともしつつ、羨ましくも思いつつ、一気読みしてしまった。 ギャンブルで億単位の借金を作り、「酒は呑むものではない。呑まれるものだ」と血を吐くまで飲み暴言を吐き、癌で入院中も競馬・競輪に通うために病院を抜け出し、愛人の家に入り浸って3年も家に帰らない。。。なんという人なのか。そしてこの人に連れ添った奥様がまたスゴい。奥様の手記もあるそうなので是非読んでみたと思う。2025/01/22