内容説明
誰も勝たない、誰も負けない、東洋独自の循環型の文明――著者はそれを「ジャンケン文明」と呼ぶ。西洋型の近代文明は、二項対立の「コイン投げ文明」であった。だが、そこからはもう「衝突」しか生まれてこない。今こそ東アジアが、日本、韓国、中国の新しい関係を携えて、その独自の文明の豊かさを世界に発するべきではないか……。「拳の文化」をたどり、時代を読み解きながら考える、「共存」のための文明論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
7
勝利することを求めるのは一つの生き方ではある.しかし,勝利の裏には必ず敗者がいる.敗者を産まない世界を作るために,共生という言葉をキーワードとして,東アジアを一つにしたいという主張. 2011/05/30
ophiuchi
4
ジャンケンの3すくみとコイントスの二者択一をとりあげて東西文明の比較をしようというのは分かったけど、例示がくどく結論にもキレがない。2011/02/16
Yuto Matsushita
2
第4章まで読みましたが、ジャンケンコードという三竦みの関係自体の面白さは分かるけど、文明論に広げる論理にはやや無理があるかと感じた。2019/03/24
あみだ
2
ここまでくるとじゃんけんカンケーねージャン!っていう話が多くてちょっとがっかり。あとがきに「易しく例えたり…」って書いてあったけど例えがちょっとわかりにくい。その上資料のソースがネットのサイトだったり、信憑性が…。ただ、子どもたちは何気なくやってるこの「じゃんけん」、歴史がかなり深いんだなと思った。2013/02/23
冬
1
じゃんけんが優劣ではなく性質でもって勝敗を決する所をアジアの価値観だと読み替えるアイデアは面白いけれども、その論理を補強するその他の具体例として挙げている話に説得力が感じられず途中で読むのをやめてしまった。2020/02/03