内容説明
女の性が正しく理解されることのなかった時代、性科学研究家で夫の小倉清三郎とともに「相対会研究報告」を出しつづけた小倉ミチヨに襲いかかる困難の数々。入院中に自らの性的経験を綴ったもの、逮捕拘留中に隣り合わせになった阿部定の姿を活写したものなど、小倉ミチヨの激しく傷だらけの生涯の中で感性豊かに記された性の記録。
目次
入院記録
退院の後
更正途上にある独房の阿部定隣室観察十日間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どすきん
1
「更生途上にある独房の阿部定隣室観察十日間」のみ読了。『阿部定手記』に全文出ていたのだった。2017/04/30
わす
0
小倉ミチヨが自身の性欲の高まりをつぶさに記録している。これほど率直かつ素朴に性生活を語っている本をはじめて読んだ。中には朝からエロい事ばかり考えている、まるで男子中学生のような日も。夫でキリスト教徒の清三郎も性を罪悪視することなく楽しんでいて、二人とも自慰もすればオーラルセックスもする。書きとめた日記をあまり手を加えず公表したというから、内容はとりとめないものだが却って生々しく、身近にも感じた。2024/03/15