中公文庫<br> 明治維新 三大政治家 大久保・岩倉・伊藤論

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中公文庫
明治維新 三大政治家 大久保・岩倉・伊藤論

  • ISBN:9784122045095

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内容説明

明治の論客三山が大久保利通・岩倉具視・伊藤博文の眉目を描き、長薩勤王佐幕が活きたまま現前する。漱石序。付録・人物論23篇。〈解説〉司馬遼太郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobody

14
後世故に見えることと見えないことがあるのと同じように、同時代故に見えることと見えないことがある。それを照らし合わせることにより、歴史像は真に近づこう。ぜひとも西郷隆盛論を読みたかった。三山の母の死で延期になり、いよいよという時に三山自身が亡くなってしまったのだ。さらに彼の口から吉田松陰論、坂本竜馬論を聞きたかった。西園寺公望、尾崎行雄へは辛辣。後藤新平など“キ印”扱い。逆に山県有朋への高評価は私としては受け入れ難い。結局の所西郷と大久保の離反の真因は闇の中である。勇気の西郷、意地張りの大久保、調和の岩倉。2017/06/13

きさらぎ

7
著者は元治元年熊本生まれの論客。父は西南戦争で熊本隊を率いて西郷隆盛について戦った池辺吉十郎。著者と親交のあった夏目漱石が序を寄せている。漱石は著者を「巨体で寡黙で優しかった」と彼に西郷を連想しているが、ただ人物評論であるので「寡黙」とはいかず自在に語り起こしている。本書の「三大政治家」の中では大久保論が面白い。そして短いが著者が大久保との同質性を感じる山縣論もいい。私もこの二人は似たところがあると思う。著者と感覚が近いかもしれない。あとは大隈、井上候、犬養など同時代人の印象が興味深かった。2018/03/06

紙狸

3
大久保利通を論じた本は、西郷隆盛に比べて少ない。大久保利通論を巻頭においたこの本は貴重な一冊だ。大久保を語る上でのキーワードは「意地張り」だろう。政権の中心に我が身を置く能力がありながら、時に「自分よりえらいと見る人を自身が大骨を折って中心点に据える(p58)と指摘する。池辺三山は夏目漱石と親交があった新聞人。この本は口述筆記で成立した。伊藤博文論の中で、日清戦争の経過を辿りながら「どうです。どうもこの出兵も内を治めるための決断であったという外にありますまい」(p180ー181)と語っている。2018/09/24

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