内容説明
いまだかつて、これほど哀しいホラーはなかった。これほど恐ろしいファンタジーはなかった。これほど残酷なラブ・ストーリーはなかった。あなたはこの哀しくも衝撃的な結末に耐えられるか。死はいつも愛する者を奪っていく。でも、あなただけは。元恋人の失踪、明らかになる妹の死因、忍び寄る死の気配。連鎖する悲劇の果てに待っていたのは……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きっしぃ
40
サイコメトラーもの。あることをきっかけに死者の記憶を読み取ることが出来るようになった真美。失踪した元カレ、死んだ双子の妹の話、それぞれに驚きがあってよかったんだけど、最後の悪魔との出会いが唐突すぎる。そんな簡単に殺人鬼と出会って事件解決出来ないでしょう…。まぁ突拍子もない展開が浦賀作品の魅力といえば魅力なんだけれども…。2017/08/03
マムみかん(*感想は風まかせ*)
23
ちょっと変わった超能力ミステリーでした。 ある出来事を境に、不思議な力に目覚めた真美。 頭の中に響く声。 触れた物や人から読み取れる負のイメージ。 失踪した元恋人を探す彼女がたどり着いた真実は…。 先が気になり一気読み! 突然超能力者となった主人公の戸惑いや、周りに理解されない孤独感が痛かったです。 衝撃の結末でしたが、彼女の能力が開花したのも必然ですね。 ずっと呼ばれていたんだもの。 哀しい叫びはトラウマもの(泣) 2012/09/17
Yun
22
別れた恋人が失踪し、行方を探し始めた真美が自分に起こるある異変に気付く。それは頭の中に誰かの声が聞こえるというもの。声が聞こえるようになった真美が辿り着く真実は?文章自体は読み易くさらっと読み進められた。ただ、同じ言い回しも多く多少飽きてしまうところもある。恋愛ミステリーと謳っているが恋愛要素は低め。導入部が面白いだけに、話しの展開が薄いのは残念。2015/05/30
東京湾
11
(借り本) 元彼氏の失踪を境に、死人の記憶が視えるようになった主人公・真美。そこから展開されるオカルティックミステリー。能力に対し苦悩する真美の心理描写には読ませるものがあり、死人の最期の描写には戦慄すら覚え、畳み掛ける衝撃の展開の数々に、読む手が止まらなかった。そして最後のどんでん返しにはまんまと驚かされた。全体的に読みやすく、読者を飽きさせないのが良い。その分終わりにはあっさりとした感じがあったが、真美というあくまで一個人の物語には、それがベストなのかなと思った。2016/01/27
かなーな
9
著者らしいグロテスクな描写、テンポの良い読みやすい文章で楽しめた。読書の時間は楽しめたが、オチが...う〜ん、悲しい...著者の作品を何作か読んでいるのでなんとなく想像できたけど...あらすじに恋愛ミステリの決定版と書かれているけど、恋愛の描写は少なくオカルト、ミステリ好きが読むと面白いのではと思った。結構毎回だけど著者の作品、装丁の綺麗さと登場人物のえげつなさスゴイ。叙情的な文章で全体の雰囲気はマッチしていると思うけど、本作はもう少し神秘的な話を想像してました(笑)2016/05/02