内容説明
無機的な郊外の住宅地。最新の通信環境を備えたマンションで、静かに、しかし確実に増幅していた悪意。やがて「ウエルカム・トウ・リアルヘヴン」と銘打った謎のホームページを媒介に、日常は次第に恐怖に侵されていく。不穏な気配を察していたのは一握りのホームレスと孤独な少年ただ一人。彼らのあまりに絶望的な戦いの行方は……? 生理的、心理的、現実的、あらゆる種類の恐怖を詰め込んだ牧野ワールドの原点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゅんぢ
32
なんとしてでも怖がらせたいという作者の思いから書かれた本作。残念ながら成功しているとはいえない。あと、怪異を止めようとしている人達にもうちょっと、スポットライトを当ててほしかった。2019/01/08
kumo
19
★★★★☆
Ai
8
電波系のヤバい人を描かせたら、牧野さんの右に出る人はいないでしょう。ってくらい、電波な人しか出てこなかった。ホームレスたちが、実は真実を知る少ない人々という設定が、なぜか非常にワクワクしました。猫は腐ってもかわいい。2021/07/15
sof
3
頭のおかしな人に喋らせた部分はテンポのいいブラックジョークみたいで本当にうまい!和風なホラー描写にもぞっとさせられたが、唐突に異能力バトルをはじめたラストには混乱してしまった2014/11/09
ケイト
3
牧野先生の作品を読むたび想うのですが、作品を成立させるための世界の設定がすごいなあ、と。この作品でも、孤立した郊外という設定がしっかりと成立していて、おかげでその中でうごめくばけものたちがとてもリアルに感じられました。平蜘蛛のおじいちゃんとか、そこはかとなく怖かったです。あと牧野先生作品に出てくる男の子ってすごい好き。後半、あるシーンで、瞬くんのけなげさにホロリときました…。2010/08/09