内容説明
ベンサムの膨大な著作全体を「幸福論」という観点から捉え直そうとする画期的な研究。ベンサムの難解な「幸福論」を平易に解説。
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目次
第1章 市民的“義務”としての“幸福追求”―幸福の追求こそが人生の目的
第2章 幸福論としての立法論―「犯罪なき社会」を目指して
第3章 ベンサムの存在被拘束性―名誉革命と産業革命
第4章 ベンサム『憲法典』への道程
第5章 幸福論の憲法論的設計―ベンサム『憲法典』と代表制民主主義論
第6章 哲学的急進派の議会改革論
第7章 ベンサムと現代―ベンサムに見えなかった視座
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はなよ
12
ベンサムの幸福論、という題名ではあるけど、幸福論について語られるのは前半だけで、後半はベンサムの「憲法典」について解説している。まあ、人民が幸福になるためにはまず憲法を正さないといけないのは分かるし、個人的には面白かったからいいんだけど、個人としての幸福論を求める人にとっては肩透かしかなあ。憲法典の解説も、前半と何回も同じ表現を使ったり(著者曰く「難解なベンサムを分かりやすくしたかった」らしい)、法案を長々と列挙するなど、ページの水増し的な記述が多くて、読んでいて少し退屈だった。2018/03/04
ハンギ
0
ベンサムの研究書。ベンサムというと功利主義ですが、ジェームズ・ミルに誘われて議会制改革なども提言したらしい。著者によるとそこで議会を中心にする小さな政府論を書いているのですが、それは同時に世論法廷という誰でも参加できる法廷によって制限を受ける直接民主主義でもあった。理想的な目標を掲げる民主主義者なのか、それとも個人の幸福を追求するリバタリアンなのか、ちょっとそれは見方によって変わるかも。この著者は法政大の松下圭一の指導を受けたとのこと。ややマルクス的な視点を持ち出してベンサムを裁くのはどうなのだろう。2012/11/17
つばな
0
題名では分かりにくいですが、「憲法論」についての解説と言った方がいいかも。憲法論にいたるまでのベンサムの思想の移り変わりなどが分かったのは興味深かった。2021/08/07