内容説明
手がかりは、犯人が現場に残したかすかな匂い。イヌの嗅覚をもつ片桐稔は、異次元の世界に少しずつ適応しながら犯人に迫るが……。手口が似た連続怪奇殺人事件が起きるなか、失踪したバンド仲間と犯人に意外な接点が! 2001年度の「このミステリーがすごい!」第4位に撰ばれた愛と感動の超大作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
187
上巻は設定&状況説明の為に若干の長さを感じたが、下巻は一気呵成に突き進む展開で全く退屈せずに楽しめた。恋人のマミが可愛い性格の女性なのも嬉しかったし、お約束通りに危機を迎えるのもサスペンスの常道。稔が嗅覚の代わりに失うものがあるのは切ないながらも納得の設定だし、それゆえマミとの結びつきが強固になるのも巧い。犯人が殺害の際に猟奇的な行動をとった意味が語られていなかったのが唯一の残念な点だったが、そんな些末な事をすっ飛ばす程の独特の世界を創り上げていて、とても読み易いエンタメ作として筆力の高さを改めて感じた。2020/06/19
さっこ
48
面白かったです。犯人に辿り着いてからはスピード感があってハラハラドキドキでした。犯人に絶対負けない!って思いながらも手に汗握りました。主人公のミノルにとって発達した嗅覚を得たことは決してハッピーエンドでは無かったのかもしれないけど、幼い頃に亡くなった双子の兄弟トオルと同じ景色を見られたことが何かジーンときました。終わり方は未来のあるものだったけど、ちょっと切なくて可哀そうだったな。2019/08/29
momi
43
警察犬よりスゴイ嗅覚を持つ男の話下巻です!!素晴らしい世界観…。嗅覚を視覚化してしまう特殊能力の表現描写がとても美しい…。面白かったです!!ただ…犯人の殺人の仕方ですが、何故吸血鬼みたいな殺し方をしたのでしょうか…。壊れてる人には間違いないのでしょうが…そこ、気になりますよね〜。上下巻と分厚い本ですが一気読みしてしまいました!今後も気になる作家さんです…。2013/09/27
ポルコ
42
ぐんぐんと自分の嗅覚の特性を研磨していく稔。嗅覚が鋭くなって、読み込みが深くなっていくにつれ、ある意味進化とも言えるのか視覚の衰えが顕著になっていく。連続殺人犯を追ううちに稔の世界は狭まりながら、けれども反して伸びやかにその能力の手を広げていく。犯人との邂逅はもっと深掘りしてほしかったけれど、この作品の主たるストーリーは稔の視覚化された嗅覚の美しい世界についてだろうと思ったので、そちらの深掘りっぷりは大満足でした。稔、ひとりぼっちじゃなくなるといいな。2026/08/28
アンジー
39
視覚化された匂いの世界!こんな世界を考えたことも想像したこともなかったのでとても面白かった。下巻では主人公の片桐がようやく視覚化された嗅覚に適応し、犯人の捜索を手伝うようになる。警察犬のように犯人の足取りを嗅ぎ、犯人を特定していく。被害者が増える中、憎たらしい犯人を早く早く犯人つかまえて〜!!と叫びたくなる。行方不明の友人ミッキーの捜索も同時進行で行うがまさかニアミスしていたとは!殺人鬼の逮捕シーン、匂いを中心に置いた物語に相応しいクライマックスだったと思う。主人公とマミちゃんが幸せに暮らせますように!2025/09/18




