内容説明
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政情の混乱から夫を眼前で殺され、それでも生きていく道を選んだ女性による日記「竹むきが記」。文学性が希薄とされてきた中世女流日記の、新たな再評価を目指す意欲的な一書。
目次
目次
序章『竹むきが記』研究の課題 / p1
第一節『竹むきが記』研究の諸問題 / p1
第二節『竹むきが記』再評価の視座 / p19
第一章『竹むきが記』の構造 / p25
第一節『竹むきが記』の記事と史実 / p25
一 基本的性格としての記録的態度 / p25
二 作者の生きた時代-史実の確認 / p31
三 史実との齟齬 / p46
第二節 元弘元年暮の記事における史実との齟齬 / p53
一 記事の配列とその問題点 / p53
二 記事の構成とその分析 / p55
三 再構成の手法と和歌の役割 / p62
第三節 北山第御幸の記事における史実との齟齬 / p68
一 北山第への行幸・御幸の記録 / p68
二 暦応五年御幸始の記事 / p73
三 暦応四年御幸始の記事がないことの意味 / p78
第四節『竹むきが記』の構成法 / p82
一 史実との齟齬からうかがわれる意図的操作 / p82
二 日付の混乱からうかがわれる意図的操作 / p91
三 意図的操作と構成意識 / p111
第二章『竹むきが記』の表現様式の特質 / p117
第一節 作者の教養の基調にあるもの / p117
一 作者の和歌的環境 / p117
二 作者自詠の和歌とその参考歌 / p122
三 地の文の和歌的叙述 / p136
四 作者の教養の基盤 / p141
第二節 上巻の和歌のあり方と地の文の叙述 / p146
一 上巻収載の和歌 / p146
二 対象とする二つの章段 / p148
三 当該章段前後の記事の配列 / p150
四 和歌の有無と地の文の叙述との関係 / p153
五 公宗とのかかわりで詠まれた和歌の意味 / p158
第三節 下巻の和歌のあり方と地の文の叙述 / p161
一 下巻収載の和歌 / p161
二 下巻における和歌の諸相 / p163
第四節 記録的叙述の特質と再評価の試み / p174
一 作者にとっての和歌の位置と叙述 / p174
二 記録的叙述の底流にあるもの / p181
三 表現様式の特質とその評価 / p194
第三章『竹むきが記』における宗教観 / p199
第一節 浄土教思想とそれへの懐疑 / p199
一 作者の宗教的環境 / p199
二『竹むきが記』にみえる浄土教思想 / p203
三「生死を出づる道」 / p210
第二節『竹むきが記』作者の宗教への想念 / p220
一 霊鷲寺とその長老 / p220
二 作者の志向した修行 / p228
三 作者の教説受容の態度 / p234
四 作者の道心の本質 / p251
終章『竹むきが記』の成立 / p265
第一節『竹むきが記』の原点 / p265
一 公宗事件の実相 / p265
二 生きていく作者の心底 / p273
第二節『竹むきが記』の成立 / p284
一「昔」-回想の起点 / p284
二「北山第」への回帰 / p290



