内容説明
日本海側で大演習を展開していた自衛隊を、突如<時震>が襲った。突風が渦を巻きあげた瞬間、彼らの姿は跡形もなく消えてしまったのだ。伊庭三尉を中心とする一団は、いつの間にか群雄が割拠する戦国時代にタイムスリップし、そこでのちに上杉謙信となる武将とめぐり逢う。 <歴史>は、哨戒艇、装甲車、ヘリコプターなどの最新兵器を携えた彼らに、何をさせるつもりなのか。日本SF界に衝撃を与えた傑作が新装版で登場。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
151
演習中になぜか戦車やヘリごと戦国時代にタイムスリップしてしまった自衛隊の小隊?が長尾景虎(のちのち上杉謙信)になる人に出会って、近代兵器を使って無双しつつも、現代に帰れる方法を模索する話。思った以上に短くてテンポがいい。じつは直接の過去にタイムスリップしたわけではなくて、パラレルワールドに来てしまったようだということが途中からわかるけれど、最後のオチはなるほどそう来るのねとなかなかおもしろかった。2020/11/22
藤月はな(灯れ松明の火)
71
訓練中に戦国時代に飛ばされた自衛隊員の伊庭達。そこで彼らは長尾景虎と名乗る武将に出会う。景虎の信念に共感した伊庭達は彼を後の上杉謙信とするために機関銃や装甲車などの自分たちの戦力を彼の戦で使い、援護していくが・・・。織田も徳川もいなく、パラレルワールドかと思いきや、現在と戦国時代の天皇制の違いによって明かされる真実にSFの醍醐味とパラドックスの悲哀を感じました。この短さに反する密度の濃さは『この人を見よ』を思い出しますね。2014/02/07
GaGa
54
久しぶりに再読。これは短い作品だが、密度の濃さは際立っている。パワレルワールドをしっかりと、世界観的なずれを上手に用いたことで価値がある。映画作品は個人に視点が配られ、それはそれで面白い仕上がりとなったが、映画作品と違う点は自衛隊の彼らが大まかな歴史で何の役を担ったかと言う事。歴史好きなら、この落としどころは楽しめるはず。2012/12/19
カムイ
45
2018.6読了半村良さん作品はそこそこ好きなのだが、史実を忠実にはしない、当然無視しまくり、そこ迄すると潔いそのことを踏まえて読むと楽しめる本だ、映画を観て改めて読んで観ると原作の方が良かった気がする。2020/04/15
Tadashi_N
31
歴史を変える現場にいられると、ヒトは何をするのだろうか?結末も良い。2017/06/23