内容説明
禁裏の警護にあたる幕府のお付武士・久隅平八は生薬屋に扮し〈市歩〉を行い、町の治安に務めている。そんな彼のもとに、旅籠に泊っている浪人が禁裏に向かって大仰に礼拝しているという話が届く。奇妙な行為に潜む企みとは? 好評の時代連作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きくちゃん
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前回の最終話は主人公の新たな立場を予感させるような終わり方だったが、意に反して瀕死の重傷は本復。再び御付武士としての活躍が描かれるが本作品でシリーズは終わりとのことでまことに残念。禁裏並びに京都という特殊な舞台と土地柄を背景に描かれた捕物帳だけにその解決策も独特のものが多く、もっと続けて読みたいシリーズだった。ひとつだけ不満があるとすれば前回で主人公平八の師匠大森捜雲は死去している筈なのに、今回の二話「印地の大将」で平八が「この分なら死ぬのはわしのほうが先だ」と喋っていること。作者は何を勘違いしたのか?2021/04/13