内容説明
遠いひとより身近なひとのほうがよくわかると、われわれは思っているが、はたしてそうか? 召使いが天才を、親が子を、赤の他人よりも理解しているだろうか? また昭和は江戸時代よりも鮮明だろうか? ひとの日常はまことにパラドックスにみちていて、一筋縄ではいかない。人生にはよく見えない死角があるのだ。本書は、ちょっと知的な心の目で、人間生活の核心をとらえた、役に立つ人生へのヒントである。
目次
心の遠近法
不幸を食う幸福
無用
千里も一里
“のぞき”の様式
虚実
プラシーボ
元気
小毒、大毒を制す
墨守〔ほか〕