内容説明
三行統合なら生き残れる! 第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の各トップは世界でも例のない大再編に向け猛スピードで走り出した。困難な調整や会談の内幕など、最後の決断までの日々を圧倒的な情報量とリアリティで描いた実名企業小説。その後の迷走と再生のドラマも収録した完全版。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
納間田 圭
113
どこまで史実なのかは…どこまでが小説なのか。バブルが崩壊し…もう単独では生き残れなくなった銀行。唯一の選択肢(逃げ道)は…合併なのか?。第一勧業銀行と富士銀行と日本興業銀行の…世界最大となる大合併。みずほホールディングス誕生の秘話。案の定…未曾有の大システム障害。そして…みずほホールディングスの株価は百円割れに低下した… 「ATMの故障なんてアホなことが、この文明社会にあるかいな!?気の緩んでいる証拠や。図体が大きくなっただけで、中身は空っぽのでままとちゃうか!?」…繰り返し放映された財務大臣塩ジイの発言2025/05/20
しょーくん@本棚再編中
25
★★★★★★☆☆☆☆小説の体はとってありますが、実際にあったことや、取材に基づくエピソードも入っていたので、すっかり引き込まれました。私もシステム障害の影響を受けましたが、それからこんなに時がたったのだなと思い知らされましたね。2018/07/07
誰かのプリン
21
結局、不良債権処理問題で首が回らなくなり、政府の勧奨もあって合併した感が拭えません。 合併が早期に決まったのも、その事を考えれば納得出来ます。 2017/09/03
おおとろ|内省的ストーリーテラー
8
☆☆☆☆☆ 再読2023/10/12
Yuki2018
7
都市銀行再編の先駆けとなった富士・一勧・興銀の三行統合から早くも20年以上が経過。経営レベルの人間模様はこんな感じだったのだろう。実名で書かれた小説で作者もだいぶ気を遣っているため、かなり美化されている感はあるが。天下国家を語る当初の崇高な「理想」と、実務的に正しく判断を行わなければ成功しないシステム統合という「現実」の対比。理想を語るだけなら誰でもできるってことですね。経営とはなんなのかを考えさせる。2024/10/05