内容説明
中原中也、内村鑑三などの思想と行動をアウトサイダーの名のもとに解明し、近代日本におけるインサイダーとは何かを説いた名著。〈解説〉高橋英夫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
60
「中原中也、萩原朔太郎、岩野泡鳴、河上肇、 岡倉天心、内村鑑三、大杉栄などの思想と行 動を、アウトサイダーの名のもとに解明し近代日本におけるインサイダーとは何かを説いた名著」とか。 コリン・ウィルソンの一頃人気を読んだ『アウトサイダー』にヒントを得た著。素人の書と云いながら、ちゃっかりアイデアを援用してる。理屈として理解が行き届かなかったが、さすがにこの頃はあまり触れられなくなっている詩人や宗教家、活動家の話題に触れられて楽しめた。本書での吾輩にとっての発見は、やはり岩野泡鳴かな。再認識。 2025/02/11
Miyoshi Hirotaka
21
題名は、英国の哲学者ウィルソンの著作から借用。近代批評の先駆者は見えないものを見ようとした人達をアウトサイダーと仮定。明治初期から戦後の約百年間で我国は西洋文明千年、二千年分を詰め込んだ。その中に含まれた矛盾や欠陥を各分野でどう解決するかが課題だった。西洋美術と伝統美術、キリスト教徒と国粋主義、マルクス主義や革命運動と私小説やロマンティシズム。岡倉天心、内村鑑三、大杉栄他が呻吟した。後に誤用や曲解されたり、晩節を全うできなかったりもしたが、時代に残した足跡が名批評により我々の指針や教訓として浮かび上がる。2026/04/27
nobody
17
漢詩は白文のまま。「アントロギッシュな・メタフィジック」といった言葉遣い。用を成さぬ「従って」。「序(ついで)ながら」の頻出即ち論脈の破断。逆説。一々「結局こう言いたいんだな」と咀嚼する労を要する高踏的言辞、同伝で解説抜きの晦渋な引用。文芸評論と列伝の混淆。「泡鳴は一挙にして宇宙と生命の理の交錯する場を直観した」と言われても。「ここには論理なんかない」、その6行後に「ここに現れているのが、鑑三独特の竹を割ったような論理の迸出である」。近代日本には正統即ち反逆の対象がなかった、敢て言えば立身出世主義と。2018/05/06
やいっち
7
「中原中也、萩原朔太郎、岩野泡鳴、河上肇、 岡倉天心、内村鑑三、大杉栄などの思想と行 動を、アウトサイダーの名のもとに解明し近代日本におけるインサイダーとは何かを説いた名著」とか。 コリン・ウィルソンの一頃人気を読んだ『アウトサイダー』にヒントを得た著。素人の書と云いながら、ちゃっかりアイデアを援用してる。理屈として理解が行き届かなかったが、さすがにこの頃はあまり触れられなくなっている詩人や宗教家、活動家の話題に触れられて楽しめた。本書での吾輩にとっての発見は、やはり岩野泡鳴かな。再認識。2025/02/11
がんぞ
1
「アウトサイダーとはビジョンを見る人である」コリン・ウィルソンの定義と同じくはじまって、一般的には文筆家であっても「作家」とされない内村鑑三などを文芸の文脈で解読する。ことに著者が愛情を注ぐのは親戚ということもあってか、共産党に裏切られ「一切の政治活動をやめる」「選挙など好きな人は好きだが私は嫌で堪らなかった」と晩年の避難のため悲痛な声明をした(共産党から見れば「転向」)河上肇である。はたして文筆によって表現される《思想》は時代を動かしてきたのだろうか。そうでないとすると欧米帝国主義思想の生徒に過ぎないが2012/07/18
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