内容説明
「死にたくなんかない。生きたいから切る」。生を確かめるためリストカットせずにいられない彩乃が“メディカル売体クラブ”で自傷癖のある介護士の青年と出会い、お互いを強く求め合う表題作、現実の列車爆破事件に触発された「起爆者」他、デビュー作を含む6篇を収録。過激で危険で美しい、傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
18
☆1.5 賞はいくつか取っているけど私にはまるで理解できなかった『東京プリズン』の赤坂真理さんってこういうタッチのも書いてたんだ。へー。でもこれもごめん。つまんない。半分まではなんとか文字を折ってたけど途中リタイア。2022/01/20
ミツ
6
表題作含め6編を収録した初期作品集。 文字が大きくて話も短く、文章も抑え目なため読みやすい。 ただ他作品に比べて思索色は強め。 自傷、身体改造、機械と人間、多重人格、痛み、視線。身体と人格の所有―被所有の関係の綻びを、著者独特の視点から描く実験的で意欲的な良作。 「意識があることと生きていること。意識がないことと死んでいること。意識そのものと生きていることそのもの。そういうものの境が、よくわからないのよ、わたしたち、には」2010/05/05
眠る山猫屋
5
なにか伝わりそうで、でも今一歩手が届かない。そんな印象。あとがきにあるように“心の”自傷系である作者のスタンスは解るような気がするのだが。2012/04/29
なぎ
3
アブナイ作家さん(笑)色々なきもちがこめられているきがします。いきるためにリストカットをする少女。自分を解体したい女の子、爆破をする暑い日。初期の6作品。歯医者ってよく考えたら一番怖いかもって思ってしまった(笑)2012/03/03
CEJZ_
2
1P13行。元の本は1999年刊。デビュー作を含む短編集。前から赤坂真理の小説を読んでみたかった。赤坂真理の小説が原作の映画『ヴァイブレータ』は新潟県でロケされ、わたしはほぼ日常的にクルマで映画に出てきたところを通って目にしている。そのつど、ここにあの有名俳優たちが来てたんだよなあと、約20年前の昔に思いをはせる。映画の中の風景を見れば懐かしい。この本は13行で文字が大きく読みやすい。歯科での治療の場面が多い。自傷もある。90年代だなあと思う。文庫版あとがきがある。解説は川村湊。2024/01/19