内容説明
春秋・戦国の乱世に自らの理想を実現すべく諸国を巡った諸子百家。快楽至上主義の楊朱と兼愛の戦士・墨子の思想がなぜ天下を二分するほど支持されたのか。五徳終始説と大地理説で新王朝の出現を促進した鄒衍(すうえん)の雄大な構想、「白馬は馬に非ず」とした公孫龍(こうそんりゅう)の緻密な論理とは。新出土資料で判明した老子、孫子、孔子などの実像も、興味深く説き明かす。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
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moe*
13
代表的な諸子百家について時代背景と共に面白くまとめられている。世界の価値や意味、目的がなぜそのように考えられるのか、論理的に説明されているのが興味深い。個人的には荘子の「すべての物には、本来それでよいのだと肯定されるべき」という世界の捉え方が好き。2020/08/30
DonaldTrump
11
法家や、公孫竜、墨家など、メジャーな中国思想家(儒家・道家・兵法家)以外の思想を詳しく解説してくれていて、楽しく読めた。儒家をメッタメッタに批判している点でも、古代中国思想の理解の参照文献として興味深い。2010/05/23
シタン
9
諸子百家とはなんぞや?から始まり、代表的な諸子をわかりやすく、そして批判的に説明する面白い本でした。文章の切れ味が鋭く、読んでいて気持ちがよかった。楊朱や公孫龍など、今まで馴染みがなかったものも取り上げていて勉強になった。2018/01/25
樋口佳之
9
これは論語を読みたくなくなる内容。詐欺師扱いですか~2017/05/12
Hiroshi
8
諸子とは多くの学者先生の意で、百家は多数の学派の意である。①儒家、②道家、③陰陽家、④法家、⑤名家、⑥墨家、⑦縦横家、⑧雑家、⑨農家、⑩兵家が主である。名は漢時代に付けられた。春秋時代の前半までは、古代中国の人々が法るべき規範と仰いだのは、堯・舜・禹・湯・文・武といった古代先王の言葉であった。春秋後期になると、思想家個人が門人を集めて学団を形成し、師匠の言説が法るべき規範となった。儒家である。次に墨家ができ、兵家もできた。老家も春秋末には存在していた可能性がある。戦国期には多くの思想家が現れた。法家らだ。2019/06/22