文芸にあらわれた日本の近代 - 社会科学と文学のあいだ

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文芸にあらわれた日本の近代 - 社会科学と文学のあいだ

  • 著者名:猪木武徳
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 有斐閣(2004/10発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784641162198
  • NDC分類:910.26

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内容説明

夏目漱石、谷崎潤一郎、小林多喜二、太宰治、三島由紀夫ら計10編の文芸作品を素材に、時代の「良質な観察者」としての文人が描く人々の生活の内面を、ストーリーの流れの中から読み解く。労働経済学、経済思想を専攻する博学多才な著者の練達の筆が冴えわたる渾身作。【第8回桑原武夫学芸賞受賞】

目次

序 章 モデルとストーリーのあいだ
第1章 自然・伝統・産業化:武田泰淳『鶴のドン・キホーテ』
第2章 恋と革命:太宰治『斜陽』
第3章 父性の敗北:三島由紀夫『絹と明察』
第4章 日米関係悪化の中で:永井荷風『あめりか物語』
第5章 デモクラシーの行方:谷崎潤一郎『痴人の愛』
第6章 グローバリゼーションと反帝運動:横光利一『上海』
第7章 急成長と過当競争の歪み:小林多喜二『蟹工船』
第8章 独立した合理的な個人?:大岡昇平『野火』
第9章 歴史と偶然性:山田風太郎『戦中派不戦日記』
第10章 相対主義ではなく多元論を:夏目漱石『文芸の哲学的基礎』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むっち

2
本論とは関係ないけど、お父さんが終戦直前は、和平とつけようと考えていたけど、終戦になった途端に平和ムードに抗して武徳とつけたという自己紹介のエピソードが妙に頭に残る。今の時代みなが右へなれとなり、アベノミクスや憲法改正を唱え出すとき、あらためて冷徹な目でじっくり考えましょうという態度をとられるのではないかという気はする。筆者の視点から文芸に表れたその時代の意識をよみとること、人間は合理的な生き物であるという前提で出発することの危うさなど、文芸批評を通じて筆者の社会科学の方法論(人間の味方)を展開されている2013/04/14

denken

0
こんな風に文学を読みこなせたなら,どんなに楽しいことか。中高の頃に何も背景を知らずに読んで,まったくつまらなかった作品も,今読んだら少しは面白いのかもしれない。内容は題名の通りと言うしかない。そのままの題名である。2009/10/31

Peter-John

0
中学高校の2年先輩が書かれた本。 社会経済学分野の膨大な知識に裏打ちされたエッセイ集です。最初に立場や方法論が開陳されます。ここで残念なのは解釈学に触れられていないことです。解釈学は古典や聖書のテキスト解釈から発生した哲学です。 中身は成功しているのもあれば、いまいちのもありました。2019/09/09

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