ちくま文庫<br> おとこくらべ

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ちくま文庫
おとこくらべ

  • 著者名:嵐山光三郎【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480420084

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内容説明

「表を作りましょうか。おとこくらべ一覧。……」。樋口一葉が極貧の中、家を訪れる男たちを値踏みして書きとめた「おとこくらべ」一覧の話。「怪談」を生んだ小泉八雲は、「紫の一本、見ました」と言っては妻の躯を求めた。夏目漱石、有島武郎、芥川龍之介、北原白秋…明治の文豪の性と死をユーモアと博識で綴った6篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みつき 

35
樋口一葉が妹の邦子と、交流のある作家達の性格、寸評などを表にまとめた「おとこくらべ」。特に花袋と鏡花の欄は声を出して笑ってしまうくらい鋭い洞察力とユーモアに富んだものに。その他、死が迫ったラフカディオハーンの生の執着からくる性が生々しく描かれている「紫の一本」、心中未遂事件を起こした男の本質を見抜き、死とは縁遠い米松を冷ややかな目線で描いた「つばめ」、有島武郎の心中事件を描く「葡萄」、芥川龍之介の「葬儀」、死と向き合うことで過去の女性の幻影に魅せられる北原白秋の悲しい性「りんごさくさく」を収録。2013/07/12

Syo

13
むむむ。 昔の(今もかもしれないけど) 文学界は、芸能界みたい だなぁ〜。 共演したら付き合って…。 って、よく知らないけど。 う〜む。2016/05/29

kaoriction@感想は気まぐれに

13
ビバ、文壇史!な作品。樋口一葉・夏子が、妹邦子と作った「おとこくらべ一覧」。男連中の品定め表は、本当に存在したかのようなリアリティ。「祭壇の前に置かれた漱石の遺骸にオイオイと泣いた芥川」とか、当時の文壇のザワザワ感や賑やかさ、蠢く人脈などが手に取るように伝わってくる。他、小泉八雲、森田草平、有島武郎、北原白秋など5人の死にゆく姿を独自の目線で書いた「小説」だ。最後の「文壇血風宴会録」も面白い!文壇。まさに、この作品は、いまは無き?文壇史を描いたもの。現在の作家陣が、これほどの世界を後世に残せるのかなぁ。2012/09/22

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

11
樋口一葉、小泉八雲、夏目漱石、有島武郎、芥川龍之介、北原白秋ら明治の文豪たちの"死"にまつわる話……。文豪たちの関係性や、思惑の描かれた芥川龍之介の葬式の話が良かった。2015/01/18

あかつや

6
短編6編。作者が畏敬する明治、大正、昭和の作家たちの死を描いた物語。文壇の方々はやっぱちょっと頭イッちゃってて面白いなあ。これくらいじゃないと後世に残る名作なんて書けないんだろうな。一番好きな話は「葬儀」。ついに自死を果たした芥川龍之介。その知らせが狭い世間に広まって、彼の死を悼む人々が続々と集まってくる。人は死ぬ前に自分の身の回りを整理しておかないと遺された人が大変だなと思った。そうしないと葬儀会場の人間関係が混み合いすぎて大渋滞である。まあ長生きして自然と人間関係が整理されるってのが一番なんだろうな。2022/11/02

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