内容説明
第4回 小学館文庫小説賞受賞作品。電子書籍版で初登場!テレビカメラマンの今日子と料理番組アシスタントの美園はともに39歳。それなりにやりがいのある仕事と自由な恋愛を楽しんできたが、40歳を前にして、突然、不安に襲われる。「コドモ」なしの人生で、本当にいいのだろうか。このままいけばすぐに生物学的に子供を持つことは難しくなる。それはもしかすると、とてつもない幸運や幸福を取り逃がすことにならないだろうか。かくして、美園は、「母親」になることを決意し、今日子とともに、「父親」探しを 始めるのだった。「自分の人生を、自分で考えて生きること。とても大変なことですが、それ以上にとても素敵なことです。ふたりの女性の生き方に、あらためてそう実感しました。」 寺島しのぶ(女優)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昭和っ子
17
結婚してない女性が子供を持とうとした為に起こる出来事、巡り会う人々のあり様が、「普通に結婚して子供を持つ」事の別の側面を照射する。結婚に失敗した男の「(子供を持つと)きっと今より生き甲斐みたいなものが感じられるかもしれない。でもな、それも映画のワンシーンや誰かから聞いた話の記憶に過ぎなくて、憧れる自分をどこか信じてないんだと思う」というセリフ。静かな漁師町に移り住んで、「注射器」に頼らなくても授かった子供を囲む、パッチワークの様な家族の姿は、美しくも既視の映画の様にしかイメージできないかな?今はまだ。2016/03/18
野のこ
16
生き生きとした書き方に映像が出てきて一気読みでした。40歳までに子供を産むぞ!と恋人(不倫相手はいるが)もいないのに決意。そして僕の誕生日にいたるまでのストーリー。3歳のバースデーパーティーの写真。読み終わってなるほど、確かにあのフルメンバーがいないと生まれてこなかったね。人生どんなことも起きうる!婦人科医師の無礼な態度には私も経験ありなので怒り。美園と今日子の友情が素敵。僕は語りしか出てこなかったので、これからの物語も読みたいです。2016/12/02
瑪瑙(サードニックス)
4
どんな状況、どんな境遇であっても、生まれてくる命は歓迎されるべき…。全くその通りだと思う。息子の事を思い浮かべて、強くそう思った。人はひとりひとり違ってていい。その違いを認めあい、手を取り合って、生きて生きたい!2011/03/20
K7☆
3
色んな家族の形があってもいいとは思いますけど、不倫は誰かを傷つけることになるし、よくはないと思う。 息子くんが、これからもぐれずに成長してくれることを願う。2019/07/28
のりこ
3
自分の出生なんて、特に興味もないというか、ごくごく平凡なものだと思って生きているけど、この小説の語り手はそうではなかったみたいで。これからの世の中こう言う悩みや葛藤を抱え、少数派な家族の形を模索していく人が増えていくんでしょうね。2017/11/12
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