内容説明
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フェルマー予想が解決された現在、整数論での次の標的であるリーマン予想に対して取り組んできた数学者の紹介を中心に、素数を知る魅力、取り組みの変遷などを、多くのエピソードを織り込みながら、非数学的な観点をベースに著述した数学ドラマ。
奇数章で数学の直感的な説明、偶数章でその歴史的及び人間的なバックグラウンドを解説しています。
リーマン予想は、素数の分布に関する予想で、リーマンのゼータ関数の零点の実数部は1/2であるというもの。
1900年にヒルベルトが提示した23の未解決問題及び2000年に米クレイ数学研究所が懸賞金付きで提示した7つの未解決問題の1つに挙げられています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえぞう
6
前半が素数定理、後半がリーマン予想の二部構成で、奇数章が数学的な話し、偶数章がその背景となる人々の動きとなっているところがユニークです。リーマン予想の証明、あるいは反例が見つかっていないため、最後の数章は難しく感じますが、かなり突っ込んだ内容を優しく説明しているので、今まで読んだ中では一番理解が進んだような気がします。2020/02/22
BIN
6
リーマン予想と素数定理について書かれた本。奇数章が数学的、偶数章が歴史的な部分が書かていて数学が苦手な人も偶数章だけ見れも楽しめるようになっているのは面白い。素数定理はある数までの素数の数を表す定理ではあるが、それとゼータ関数がどう関わりがあるのか知らなかったが、終盤見事に結びついたときにはぐっときました。歴史的なところもガウスやオイラーとかの偉人達や当時の大学や戦争による影響なども書かれいてほんとに面白かった。高校で数学が得意で大学でも少しかじった人向けというところがピンポイントでした。2016/02/29
タカオ
5
章が変わるごとに、リーマン予想の数学的な解説と、その歴史的な背景が交互に展開されていく。数学と歴史の両面からアプローチしてくれるので、著者のリーマン予想の流れを伝えようという意気込みはしっかり感じられた。内容について、難しいところは要点をおさえることにとどめて、読者の理解に重点を置いてくれているのはありがたかったが、そうはいっても後半の核心部分の数学はちょっとキツかった。人名や地名がたくさん出てくるので、そのあたりは混乱しそうになりながら読んだ。なかなか読み応えのある本だった。2014/05/24
R As Well
4
これまで人類が連綿と積み重ねてきた進歩の先に現代の科学があるように、先人による知的格闘と苦難の蓄積が今日の数学へと繋がっている。本書を読むまで微積分や対数のことはほとんど忘れてしまっていたものの、それらがどのように生み出されたかという数学者たちのストーリーや歴史上の意義から順を追って解説してくれるので、その意味を文脈の中で理解しやすかった。「リーマン予想が証明されたかもしれない」というニュースがどうしてこれほどの騒ぎを起こすのか、そこには単なる実用的な意義を超えた驚きと興奮、歴史ロマンがあるのだと感じた。2018/10/08
ちくわん
4
複雑な章立てに困惑しつつも読了。リーマン予想およびリーマンにかかわるトピックスが山嵐なので、ファンにはたまらない一冊。それにしても数学史はたくさんの人が登場してくるなぁ。今後の一つの方針として数学者伝記に絞って探して読んでいこうかなぁ。まずはデデキントやリトルウッド。チェビシェフも興味がある。さすがにアペリーやタイヒミュラーは?2017/03/01
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