内容説明
リストラ、医療ミス、警察の不祥事…日本の行詰った状況を、ウイット溢れる語り口で浮き彫りにし、今後のあり方を問いかける時事エッセイ集。
目次
世紀末在庫整理(二〇〇〇年問題;コンクリートの寿命;第四の権力、あるいは二十一世紀最強の武器 ほか)
真夜中の太陽(第三の徴税人;空中の商魂;省力化の帳尻 ほか)
見えすいたトリック(離散家族と日本の責任;幼児に英語を学ばせる愚;器さえ良ければ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
201
2000年前後に、婦人誌に連載されていたエッセイをまとめたもの。編年体ではなく、中央公論の編集者の配列になるものだろう。ここに収められたエッセイは、ごく一部を除いて、いつもの米原万里さんのタッチとは大いに違っている。すなわち、正攻法で語る社会評論家としての彼女のもう一つの顔だ。したがって、お得意のアネクドートも影を潜めている。語られていることは極めて正しく、ごもっともである。日本社会の構造を正しく捉えてもいるだろう。書かれた当時のではなく、本質的な意味においてだ。でも、私たちはいつもの米原万里さんがいい。2015/02/23
優希
73
20世紀から21世紀にかけて語られていました。多くの小話のような題材に驚かされます、米原さんが当時心配していた日常の行き詰まったことが的中しているというのが怖いですね。2019/05/17
けぴ
40
嘘つきアーニャで有名な米原万里さんの毒舌エッセイ。政治家、マスコミなどをぶった斬っていく。特に税金の使い方についいては、箱物を建築してゼネコンを儲けさせたり、ODAを通じて商社を儲けさせたり、と政治家と大手企業の癒着ぶりを書立てている。マスコミも政治家に都合の悪いことは報道しない。選挙についても小選挙区による死に票の多さの非合理を指摘。25年前の著者ながら痛快な一冊でした。2025/07/11
メタボン
37
☆☆☆☆ 何気ない日常や外国の小咄から始まったエッセイがいつの間にか舌鋒鋭い批評へと様変わり。米原さんの批評眼が良く、何かすっきりとした心持になる。また批評の背景に確固としたヒューマニズムがあるのが良い。2018/12/12
おさむ
31
故・米原万里さんの20世紀末から21世紀にかけての時事エッセイ集。ロシア人には沢山の小話の引き出しがあるというが、通訳の米原さんも同じ。よくもまあこれだけのエピソードや笑い話を持っているものです。その本質は解説を書いてる佐高信氏も兜を脱ぐほどの「辛口」なのですが、視座は一般の弱者に立脚しています。「歴史のない国」アメリカが覇権を握った20世紀、朝鮮半島分断の原因をつくった日本、など冷徹な国際社会批評も健在です。ブックオフの108円本の掘り出し物でした。2018/09/02
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