内容説明
5歳の娘に撮影の特訓を課す父、奥田瑛二。娘の窮地にどこにでも駆けつける母、安藤和津。著名な両親のもとに生まれたコンプレックスゆえ、15歳で単身イギリスに留学。人種差別と金欠に翻弄されながらアート制作に明け暮れる日々。父の仕事を手伝ううちに、最初は遠ざけていたはずの映画と恋に落ちる。見習い、助監督と「なりふりかまわず」映画に没頭、やがて自ら脚本を書いた『0.5ミリ』を監督する。この映画を上映するために高知に特設劇場を、さらには常設映画館を作ってしまう。そして、おおらかな自然と心優しき人々に恵まれた南国土佐の輝くような日常。誰も真似することなどできない、「七光り八起き」の半生を描いたエッセイは、生きることの喜びと驚き、そして愛に満ちている。日経新聞の人気連載に大幅加筆。
目次
まえがき
第一章 案ずるより産むが易しと言うけれど 虹色キャンバス 箱の中身 母性のバトン 奥田家の伝統 ススメ食いしん坊道 エクスキューズME 夢日記 案ずるより産むが易しと言うけれど 母なる乳と、父なる母
第二章 なりふりかまわず 父の形見 基本的レジ袋活用術 世界の心窓 なりふりかまわず 裸一貫 G+ 出口は入り口 ここはエデン、ここはヘブン あとはたのんだ
第三章 太平洋からいただきます ワイルドシティー いくらなら買う 台所仕事 果てなき青春 よってたかって育てる こころの月世界 聖地 逆転チャンス 耕せ! わっしょい! 今宵はファミレスで
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こふみ
24
パワフルな安藤桃子さんがワイルドシティ高知でバリバリ暮らしている様が描かれているエッセイ。幼少期の思い出として語られる安藤家のエピソードが面白くて 何度か吹き出しそうになりました。2022/02/28
しましまこ
19
地元高知に3秒で移住を決断してくださった安藤監督のエッセイ集。ワイルドシティー高知(笑)。2021/11/14
zoe
18
裸一貫で体当たりしてきたお仕事、海外と高知。タンタンが日本に来たとき、渋谷の次が高知のアンパンマンミュージアムだったような記憶がかすかに。そんな雰囲気が移住を決意させたのではないでしょうか。食卓と生産者、製造者と購入者の距離について。自分とは逆の気付きがあったとのこと。地方脱藩した身としては、田舎特有の生活感のあるトピックに触れるだけで嬉しいものです。2022/03/12
milk tea
10
花がいつ咲くかは誰に分かることでもなし、 咲かせるよりも根を強く育てることが大切だ。強い根が張られていれば、枯れたように見えても必ずまた芽を出してくれる。 根本がしっかりしていれば結果は自ずと出てくるんですね。 「同じ恋はひとつもないから、何度恋をしてもそれは初恋」 これまた心に残る言葉です。 2024/12/19
サクラ
7
高知に住んでらっしゃることは知っていましたがこんなにも地元に根を張った活動をしていたとは知りませんでした。『愛』と言うより『エネルギー』って感じでした😊映画も見てみたくなりました✨2022/01/14