内容説明
在日朝鮮人のために生まれた組織が、なぜ「北朝鮮・金日成親子の走狗」へと変質していったのか――。組織結成の知られざる経緯、祖国望郷の思いを利用し裏切った「帰還運動」、そして北朝鮮への送金のカラクリや、批判者に対する執拗な糾弾の実態、日本人拉致問題で暴かれたウソ……そのすべてがいま明かされる。かつて組織内に身を置いた著者が、痛恨と義憤の思いで綴った「もう一つの戦後史」。
目次
プロローグ 壊れていく朝鮮総連
1 戦後に誕生した朝鮮人団体
2 朝鮮総連の結成
3 朝鮮総連の変質―指令は万景峰号で
4 韓国の瓦解をもくろむ秘密工作
5 堕ちた総連、反在日的存在に
6 批判者を集団で脅し圧力
7 もはや在日の「未来」に背を向ける存在に
エピローグ 日本人拉致批判の嵐の前に立ちすくむ―終わりの始まり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kotte
11
朝鮮総連について何も知りませんでしたが、本書を読んで少しは理解できました。本書が出版されたのはだいぶ前ですが、現在の朝鮮総連はどのような組織になっているのでしょうか。改訂版が出版されるといいですね。2017/09/23
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
9
▼著者は朝鮮大学校卒のノンフィクション作家。内容は非常にリアル。▼終戦直後に在日コリアンの生活を支えるための団体が出来た。しかし、主導権争い、或いは半島分断などの理由で総連と民団へと分裂したこと。また団体の働きが政治的なものに変化したことなどを知った。▼総連が北朝鮮政府に盲従し、政治的な色が強まる一方で、在日コリアンのための働きが蔑ろにされ、団体が会員を利用して搾取していたという史実を知り恐怖を感じた。▼19年前の本だが、朝鮮総連のことをしるという点では、内容は古びていない。価値ある本だと思う。2023/08/05
YUTAKA T
8
再読。朝鮮総連は創立当初から共産主義を中心理念としていたのだが、在日朝鮮人の生活を支える、それなりにすばらしい役割をしていた時代もあった。ところが、それが完全に変質して北朝鮮の独裁国家を支持するだけの閉鎖的な組織になっていってしまったことがよくわかる。筆者の『パルチザン挽歌』を読んでいたので、その関係の話も興味深いものだった。2022/11/01
Tadashi Totsuka
2
朝鮮総連=北朝鮮です。朝鮮総連は泥棒です。在日コリアンから財産を詐欺的行為で取り上げたんです。 徴用工の未払賃金も4366万円を請求し、企業から徴収して、徴用工には渡さず、朝鮮総連の活動資金として、日本共産党にも大量の資金が流れたんです。拉致問題も小泉訪朝で金正日が事実を認めて、大嘘がばれました。 親分が謝ればいいってもんじゃないよね。韓国の徴用工の人達も朝鮮総連に請求したらどうですかね?2018/12/27
珍文庫
2
朝鮮総連の歴史がわかりやすく書かれているうえ、批判者への圧力や恫喝についても詳しく書いてある。おすすめ。2015/06/17