内容説明
侍は美しく生き、美しく死ぬもの――。価値ある一生を全うし、侍の本分に殉じるため、四十七人は刺客となる道を選んだ。「決して亡き殿の仇討ちのためではない。相手の命を奪い、家を叩き潰す、これは合戦だ」。大石の言葉に浪士たちの士気は極限にまで高まってゆく。そして元禄十五年十二月十四日、要塞と化した極寒の吉良屋敷に決戦の火蓋は切って落とされた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
如水
37
久々の再読&読了。いや〜中身濃い?実は作者のデビュー作なんです、コレ。流石映像作家。下巻は謀略に次ぐ謀略で徐々に追い詰められる上杉家。時の執政、柳沢の助力を得てあの手この手で挽回をしようとするが、全て後手。運命の12月14日を迎えてしまう。厳寒夜の吉良屋敷に四十七人が襲い掛かる!と言った所ですが、この小説には忠臣蔵の様な『善悪』は有りません。お互い『ヤるかヤられるか』その葛藤、思考、行動に『侍の本分』が垣間見えます。忠臣蔵はどちらかと言えば美化されてますが実際はそうじゃ無い。それが良く分かる内容です。2018/10/11
pdango
29
★★★★☆忠臣蔵モノ。浅野が吉良に斬りかかりお家取潰しになったところから、仇討ちを遂げるまでのあいだの、水面下の攻防に頁の大半が割かれている。互角の真剣勝負、とても面白かった。しかし、そもそも浅野内匠頭、藩を背負ってる自覚が足りん…2017/01/16
きょちょ
24
討ち入りの場面は迫力満点。内蔵助は、「討ち入り」でなく「戦(いくさ)」と考えていて、守る側がいくら吉良邸を要塞にしようとも、いつ襲ってくるかわからないし、襲う側は武具含め準備万端でやはり有利ですね。吉良側の色部又四郎の敗因の一つに、人の心・感情を理解しようとせず配慮もしないところがある、と書いているけれど、そこに配慮できれば刃傷沙汰が起きた時にああいった判断はしなかったわけで、そもそもお話にならないわけです。彼は80歳以上まで長生きしたらしく、この後の彼を書いてくれるともっと面白かったかも。 ★★★★ 2016/09/19
山下哲実
16
戦闘シーンが燃えた、一気読みでした。ほんと、侍に生まれなくて良かったぁ~!2014/05/16
金吾
10
○どちらが事実に近いかはわかりませんが、従来の忠臣蔵と解釈が違う部分が多く面白かったです。特に赤穂浪士に対する細川藩を始めとする各藩の対応は斬新かつあり得る話であり興味をひかれました。2019/12/16