内容説明
古都・京都にまつわる怨念の研究に没頭した民俗学者市ノ瀬恵造は、築五十年の日本家屋で悲惨な病死体として見つかった。三年後、その娘・晴美と夫の和也が休暇でこの家を訪れると、ふたりはまったく同じ悪夢に苦しめられる。その中に登場するふたごの怨霊は、十三の夢を見終わるまで、この家から逃げられないと告げた。呪いの原点が父の研究にあると知った晴美と和也は脱出に向け、壮絶な戦いをはじめた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
35
ホラーとしては真っ当…でも怖いかというとなんか違う、どう表現したものかと考えてたどり着いたのは、テーマパークや遊園地のアトラクションとしてのお化け屋敷。双子の老婆や訴えかける腐敗した父の死体、恨みがましい目で睨みながら手首を切る少女、生き霊使いの女といったいかにもなキャラの立った『こわいもの』を配置しつつ十三夜の夢に囚われた夫婦が追い詰められてゆく様は、深々と染み込む恐怖ではなくどこか陽性のホラーゲームな感触。エピローグはホラーらしく「まだまだ続く」でありつつちょっと無理やり感。『可もなし不可もなし』2014/07/29
大福
7
いろいろとレビューを読むとハードカバーの方は写真が多用されていたり、文字の色などといった部分でトリッキーな工夫があった?ようだが、文庫版はそうしたものが無い。ある意味ストーリーで勝負バージョンになっているのかも。ハードカバー版は作中で書かれた小説が今、手元にあるこの小説なのかもと思わせたのかも。ある意味メタ小説的な。そうした点で読むと、文庫版普通の作品になってしまっている。作中の個々の短編はどれも幻想的で味わいがあるが、トータルでは今ひとつな印象。一気に読んでしまったんだけど、なんでだろうな?2017/03/06
じじちょん
4
怨念をめぐるホラー・ミステリー小説。解決・騙されたの繰り返しで何が本当なのか煙に巻かれてしまう内容でした。幻想的な描写が多く、綺麗怖い映像が合いそう。ただ、怨念を巡る理不尽さ、どこまでもしつこいのは「貞子」を彷彿とさせられました。2015/08/23
zuumisu@gmail.com
2
他のレビュアーさんの表現に同意、まさにホラーアクション系で、怒濤の摩訶不思議連続、最初からジェットコースター並みの展開で飽きずに読めました。それに、舞台の京都の描写も生々しく美しい、スマホ片手にいちいち描写された寺院などの画像を検索したながら、視覚的にも満足させられ、京都は怨念渦巻く古都でもあると、妖しい魅力を感じました。2016/11/19
kumo
2
★★☆☆☆2016/01/05