イノセント

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イノセント

  • 著者名:中村うさぎ
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 新潮社(2014/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104567027

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内容説明

男の住むマンションを見上げながらガソリンを被って焼身自殺したソープ嬢。彼女が死んだ理由を探し求める牧師の父親。そして娘の素顔を辿る父には信じられない事実が突きつけられる。自殺それとも他殺? 誰が犠牲者で誰が犯人なのか。真実はおぼろげに霞んで、虚像が独りで歩き出す。そして衝撃のラストシーン!読者は毒々しく染め上げられた結末に立ち尽くす。中村うさぎが描く、愛と憎悪と絶望の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山猫

14
あー、心がささくれ立ってる時にこの本を読んじゃいけなかったんだな。大昔のラジオ番組「西田敏行のパロディカルナイト・音声多重放送『本音と建前』」が文字になった感あり。2019/02/13

myunclek

14
「こんな私でよかったら…」が、中村うさぎの初読みだったからある意味、驚き。リアルな人語りで、一人の風俗嬢の死の真相を解き明かす。しかし、主題がそんな所に無いのがこの物語の怖さだ。救われない…。2016/10/28

Viola

5
びっくりした。装丁や、ソープ嬢、ホステスといったタイトルから、彼女らしい軽い風俗小説かと思ったら、人間の原罪を問い、その贖いとして犠牲になったキリストを強く意識した、完全な信仰の小説となっていた。佐藤優氏が、彼女の著作を読んで絶対クリスチャンだと思った理由がわかる。風俗業も体験したうさぎさんの行動は、破天荒で当時は眉をひそめていたけど、この作品読むと、信仰生活と俗世間との違和感に葛藤している、複雑な胸の内を垣間見た気がする。ある風俗嬢の死をインタビューで構成、湊かなえの「白雪姫殺人事件」に似てる。 2014/07/21

きたくり

3
後半、真相に近づくにつれて息もつかせぬ迫力が出てきて、読後感はどこかもの悲しい・・・。イノセントとは何か、その結論も深かった。始めは軽いノリで読もうと思ってたら次第に人間の深淵みたいな所にたどり着く・・・って、うさぎさんの小説にはけっこうあります。スゴイです。2014/05/29

佐伯りょう

3
ソープ嬢がなぜ恋人のマンションの前で焼身自殺をしたのか…。彼女は何を思って日々を生きていたのか…。父親がその理由を探していく物語ですが、最後まで目が離せない展開でした。色々な角度から登場する人たちの人物像が語られ、その印象が二転三転するので引き込まれます。エッセイを読んでいても思うのですが、中村さんはものすごくクレバーな人だなと、いつも感じます。狡さや弱さなどの、どうしようない人間の負の部分がスーっと見える人なのだろうなと。ラスト、物語に対する自己解説のような感じがしたのもその頭のよさ故なのでしょうか。絡2011/03/30

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