内容説明
母が逝き、「私」宛てに古びた春画が遺された。旅先の小さな島で、その奇妙な絵を眺めながら、後妻であった母の人生を想う――。親を見送り、子供たちは巣立ち、再び始まった夫婦二人きりの生活。家族が共に過ごした、かけがえのない日々をふり返り、流れゆく時のうつろいをつづる静かな私小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たーくん
9
再読→→→親や妻、子供たち…。家族がそろって暮らしている時間など、うたかたのものでしかなかった。母が死んで初七日の晩に、姉が箪笥を整理していたら、私宛の茶封筒が出てきた。開けてみたら50枚もの春画だった。母はなぜ私にこんな形見を遺していったのか。旅先の小さな島でその奇妙な絵を眺めている私…。通り過ぎていく時間と変わりゆく家族の風景をしみじみと書きつくす7話。 2019/10/07
takeapple
7
色々考えさせられる。こういうしみじみとした家族小説好きだなあ。2004/10/12
go
5
この本は文庫が出た2004年頃に一度読んで、一番目の話だけやけに映像として残っていた。あれから18年も経ったのかと思うと驚く。今回の方がより物語を理解できた気がする。明るさの中にも不穏な空気や哀しみが含まれている。しみじみ良い本だった。しかし自分はまだしみじみしてはいけない様な気がした2022/11/23
Tomo.M
4
シーナさんの私小説。短編集だけど、いくつかは岳の成長がわかる家族モノ。(この後の展開の方を先に読んじゃってましたが)なんと言うか、当たり前だけど、シーナさんも明るい話ばかりじゃなく、いろいろあるんだよなー、と感じてしまう一冊でした。2015/08/05
たーくん
4
流れゆく時のうつろいをつづる静かな私小説。 2008/11/07
-
- 電子書籍
- 囚われ聖女の祈りは届く~役立たずな私で…
-
- 電子書籍
- 子どもの生活白書2008年版