内容説明
北陸本線を走る特急サンダーバードが、乗っ取られた。四百人以上の乗員乗客を人質にした犯人たちは、十一億円を要求する。それに応じなければ列車を爆破する、と。事件の絵図を引くのは、謎の富豪・大明寺一郎。彼はゲームのように犯行を楽しみ、警察を翻弄する。途中駅を通過し、ノンストップで走り続ける特急。十津川警部は、大明寺と犯人グループを追いつめることができるのか?!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
23
Facebookで知人がサンダーバードに乗ったことをアップしており、偶然図書館で見つけたので読んでみた。列車ごと乗っ取りなんてすごいことを考えるものだ。そして死者が出ないこともすごい。成功してみんな報酬を分けて何もないわけないよなぁと思っていたら…そうだよね。でも、終わりがあまりにもさらっと、意外な展開で解決してしまって。ハラハラドキドキしながら読んでいたから拍子抜けしてしまったのは私だけか。2024/03/27
ビスコ
7
鉄道の日だから鉄道本を読む。 北陸新幹線開業と共に、金沢以南のみの運転へと変貌した特急サンダーバード、その全盛期のサスペンス物語。サンダーバード、そして大明寺の優雅さが印象深く書かれている。それを語っているからか、原口のキャラが実に好み。 スケールの大きさ、サスペンスっぷりは、ドラマよりも映画的ですらある。個人的には映画化してほしいけどなあ……2017/10/14
ビスコ
6
再読。改めて読むと、メインであるはずの列車ジャックが非常に短いことに気がつく。列車ジャック自体よりも、その前段階のメンバー集め、犯人グループの企み、警察の捜査が重点的に書かれている。 十津川警部シリーズにしては珍しく、途中までは倒叙形式でもあるので、いつものシリーズとは違った感覚に襲われる。これはこれで悪くない。2016/05/12
ビスコ
4
列車ジャック、というタイムリミットサスペンス。個人的なツボ激押し。最初は、倒叙モノのように、襲撃メンバーを集めることから始まり、列車ジャック中は、ジャックする犯人グループと警察側、それぞれの視点で事件が繰り広げられる。そして事件以降は、警察視点でのみ語られる。視点変更が多い、ということが、次から次へと新たな謎を呼び出している。謎の大富豪、大明寺とは何者なのか──2014/03/08
いえろう
2
今年初、読破しました。題名通り裏切りの残酷なお話。2015/01/02